読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アップルカー?

9月26日号のbusinessには、コードネーム"Titan"というアップルの社内プロジェクトが600名もの自動車エンジニアを抱えて、2019年と噂される「アップルカー」の発売に向けて動いていることについての論評記事が出ています。

今月の初めだったか、ネットで評判が高かったアップルの発表会も、The Economistに言わせれば「既存商品を並べて見せただけ」だそうですが、確かにそれに比べればクルマ作りに進出すると言うのはインパクトはあると思います。

門外漢がクルマなんか作れるのか?については、テスラの例もあるアメリカですから、一概に否定はされないと思います。そうは申せ、さすがのThe Economistも何点か心配の材料を指摘せざるを得ない状況のようで、その一つ目は利益率の低さです。一般にアップルの商品はどれも高利益で、だいたい粗利40%くらいを稼ぎ出すのだそうですが、競争の激しいクルマ作りでは、高利益率を誇るBMWでもせいぜい20%程度だそうです。また、アップルと言えばウィンドウズに比べてウィルスなどの懸念が少ないことで知られていますが、それでも最近アップルストアで売られているソフトにマルウェアの感染が見つかったのだそうです。仮にクルマを制御するソフトに似たようなことがあると、それは死亡事故につながりかねないのでは?というのが指摘されている今一つの懸念です。でも、それよりなにより今回のフォルクスワーゲン事件で見えたように、そもそもクルマ産業そのものが社会による強い規制を受けているという、産業としての土壌の違いが大きいのではないかと思いますね。この点はThe Economistも二番目の懸念材料として指摘していますが。

もろもろ考えると、アップルカーはその登場段階でGMトヨタにとっての脅威になるというよりは、テスラやイタリアのスーパーカーなどのように、ごく一部のユーザーに夢を売るためのクルマになってゆくのではないかと推察します。って、もともとアップルが売り出したパソコン(初代マッキントッシュのころ)の売り方がそんな感じでしたし。どれだけ企業価値が大きくなろうと、アップルはアップルらしさを捨てて大衆市場へ迎合することはしないのではないかと、そして投資家がアップルに期待するのもまた夢を感じさせる商品の開発による企業価値の向上なのではないかと、思うのですが。