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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

続く消費と続かない波及効果

9月26日号のFinance and economicsには、国慶節を迎えて消費ブームに沸く中国経済が世界経済にもたらす効果に関する予測記事が出ています。日本のメディアも、国慶節の連休で中国人観光客(というか、買い物客ですが)の、いわゆる「爆買い」が続くのかというような話題をニュースで取り上げたりしていると思います。

The Economistが結論的に語るのは、若者に消費文化が定着したうえ、さしあたり雇用や給与が安定していることもあって、確かにサービス分野を含む消費は底堅いが、建設や設備投資などは先細りしており、これら「投資」に比べて輸入が果たす役割も小さい「消費」は(特にサービスは、消費全体の2/5を占めるそうですが、輸入が関与する部分が小さいです)世界経済をけん引するだけの効果をもたらさない、というものです。

「爆買い」は、おそらく日本を含めた周辺国の消費財市場に何らかの刺激を与えてくれる効果があるのかもしれませんが、でもそれだけだと波及効果は限定的で、設備投資によって世界の機械メーカーの売り上げが上がり、その分鉄鋼などの需要が増えて素材産業にも経済効果が波及する、ほどのインパクトはもたらさないだろうなあと言うのは何となくわかるような気がします。

株価低迷にもかかわらず、日本に来る観光客は多く、旺盛な買い物需要も変わらないとしたら、目に見えるものを通じて中国経済の減速を感じることは難しいのかもしれません。それでもバックミラーごしに後ろの景色を見るように、たとえば日本から輸出されるスマホ向けの液晶画面など、部品や素材を供給する部分から需要は減ってゆくのではないかという観測が出来ようかと思います。はたして本当にそうなるのか、ここしばらく日本の部品産業や素材産業の中国向け輸出動向に気を付けてみたいと思います。