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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

変質するアジアの経済構造

10月3日号のAsiaは、鈍化する域内の経済成長について参考になる洞察を示しています(Running out of puff:息切れする走り)。それによると、ここ数年いずれも輸出主導で好調な経済成長ぶりを見せていた韓国を含む東南アジア新興国の成長ぶりに陰りが見え、主な国の通貨はドルに対して全面安になっているとのこと。

その大きな理由は各国にとって最大級の貿易相手である中国の減速、ということは良く知られた事実だと思います。それを少し深堀すると、中国経済が「投資」ベースから「消費」ベースへと重心を移して来ていることによるのだ、というのがThe Economistの読み解きです。すなわち、資源多消費型で規模の大きな「投資」では、インドネシアの石炭やマレーシアの石油など、中国の需要にぴったりの輸出品目があったのに対して、その意欲が旺盛だとは言え、中国市場が求める「消費」に向く輸出品目が限られること~日本の洗浄便座や韓国の化粧品のような~が挙げられています。

加えて言えば、設備調達や工事など「投資」が短期間に集中的に発生することに対して、「消費」は比較的長期に渡り、安定して発生するパターンが多いですよね。また、「投資」は計画的に行われ、ある程度中長期の見通しが立つのに対して、消費はどうしても市場任せにならざるを得ないところがあります(むろん、人口動態など長期予測のベースになる情報は十分にあるわけですが)。

いずれの要素も、経済を成長させるためのエンジンとしては不可欠なものであり、それを満足させる誰かのところにおカネが落ちる、と言うことだと思うのですが、そう考えると日本や他の先進国で発生している「爆買い」の意味が見えてきます。

変質するアジアの経済構造に身頃を合わせ、より広い範囲で経済が円滑に回るようにしようと思えば、通貨安の日本が持つ消費財の強みを生かして「爆買い」に対応するとともに、更なる通貨安が進む東南アジア新興国では日本企業がその品質管理力を生かして部品や半製品の生産を増やす、というようなイメージでしょうかね。