新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

強すぎるものの悩み

ネットでは4月2日号が流れているThe Economistですが、Leadersのトップ記事は習近平主席の強すぎる権力基盤と、それが醸し出す有力者たちの見えない不満がやがてリスク要因になるかもしれない、という観測を伝えています。

確かに、最近の習近平氏の権威がこれまでの中国指導部のそれとはだいぶ違うらしいことはテレビの映像などを見ていても分かる気がしますし、中国本土の政権としてアメリカと渡り合い、伍してゆかなければならない立場として強い権力基盤が不可欠であることは理解できます。でも、結局そこで「どうしてアメリカに伍して行かなければならないのか?」という疑問に対する答えが今のように経済一辺倒では、有力者たちからすると既得権益などを苛烈なまでに制限されることへの答えが見つからない、ということに伴う不満感が高まる、ということなのだろうと思います。

その出自からして人類の幸福に寄与する普遍的な哲学を持たない現在の中国共産党では、「経済さえちゃんと回せばいいんじゃないの」という問いかけに有効な答えを出せないということなんでしょうね。

人類史上まれにみる「易姓革命」という伝統を持つかの国の考え方からすると、あるいはもしかしてだいぶ危なっかしい状況にさしかかっているという見方もできるのではないでしょうか。

 

ちなみに。昨日このブログでインドネシアと中国の対立のことを日本のメディアがあまり報じない、と書いたら、今日の日経新聞が大きな記事を載せていました。10日ほど鮮度の落ちた記事でしたけど、まあそういうことなんですかね。