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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

トランプの言うことがアメリカの政策となる日

5月7日号の表紙とLeadersのトップ記事は、アメリカ大統領選挙で共和党の候補となることが事実上決まったドナルド・トランプ氏がアメリカそして共和党にもたらす災厄について、比較的断定した言い方で憂慮を伝えています。

曰く、多少の妥協はあっても政治的な方向性を変えることは決してしないだろう、その結果として共和党が結束して彼を支持することは難しく、本選挙での当選はおぼつかないだろうというものですが、今起きていることをもう少し見通してみたいと思います。

筑波大学のタガート・マーフィ教授は最近の著書で、将来のある時期までにアメリカが同盟国である日本を見捨てる可能性について言及されています。考え方の根本が同じかどうか検証したわけではありませんが、トランプ氏もまた日米安保条約そしてドイツや韓国を含む同盟国の安全保障をめぐる不平等性について声高にアピールしつづけています。
The Economistの言う通り、今回彼が当選する確率は、必ずしも高くないのかもしれません(小職の知己でアメリカ通の方でも、トランプの当選を断言している方は今のところわずか1名のみです)。

でも、戦後70年間アメリカで議論になることのなかった安保条約が大統領選の課題としても取り上げられるようになったというのは、中長期の動きとしてみれば明らかな変化です。そしていつの日か、トランプ氏の主張と同じことがアメリカの政策に取り入れられる日が来るのかもしれません。
だとしたら日本は、米中の対立軸に沿って考えると中国との連帯を選ぶのか、あるいは安保条約を改訂してアメリカ側に残るのか?それとも自主独立の安全保障政策を選択するのか?

日本の政策に関する議論は、どうしてだかこのような受身の議論にならないと真剣味が出ないのですが、それでも長期的な視点から見ると大変重要な話です。今回の大統領選挙がどうなればよい、という短期的な視点ではなく、たとえば沖縄の基地問題を含めて日米関係を構造的に考えてみる良い機会とすべきではないかと思うのですが。