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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

フランスの動揺

出張で少し間が開いてしまいました。さて今日は、The Economist電子版から、イスラム教の女性が身につける水着、ブルキニ(ブルカとビキニを合わせた造語だそうです)の禁止が話題となっているフランスについての記事を取り上げます。

www.economist.com

何でもこの夏、フランスではカンヌをはじめとする地中海沿岸の各都市で、市長によってブルキニの着用が禁止されるという事例が相次いだのだそうです。なんで?と思われる方も少なくないと思うのですが、そのロジックがまた分かりにくいもので、「女性の体をコントロールするためにそれを隠そうとしている」から、というのです。露出こそが尊重されるべき自由の発露、と言われれば、まあそういう価値観もあるのかもしれないけれど、だからと言って隠すことを禁止するというのは如何なものか、というのがおそらくフツウの感覚ではないかと思うのですが。

ここでポイントになると思うのは、フランスが相次ぐテロの標的になっていることで、来年に大統領選挙を控えていることもあって、フランス社会は揺れている、と言うことなんだろうと思うのです。

2009年にフランスがブルカの着用を制限したときは、アメリカのオバマ大統領が「自由主義の下で誰が何を着てはならないなどという制限は避けなければならない」と批判したことがあったのだそうですが、今回もまたそれが繰り返された感があります。

そもそもが、ジャンヌ・ダルク魔女裁判にかけ、王族や革命家を断頭台に送り込んだ歴史を持つ国だと考えれば、その程度の揺れが発生しうる国なんだ、という認識ですかね。

一見すると、自由や民主主義とは相容れない動きと見える今回のブルキニ禁止についても、フランス的には起きてしまう可能性のある話、ということで。ヨーロッパ社会が持つ古い一面を垣間見る事件、であるように思います。