新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

気候変動対策のための、新たなる資金チャネル

The Economist10月8日号のFinance and economicsには、気候変動対策向けの新しい国際資金メカニズムである「緑の気候基金」(Green Climate Fund)についての記事が載っています。

www.economist.com

他の環境対策に比べてあまりに範囲が広く、求められる資金額も大きく、既存の資金メカニズムではうまく対応できないということなのだと思うのですが、昨年パリで開かれたCOP21の前に稼働したこの基金は、韓国の仁川にその本部があります。

The Economistが注目したのは今週開かれる理事会についてで、主に日本を含む先進国からの拠出により100億ドル規模の資金は何とか確保したものの(日本は15億ドルを出資)、実施される案件の品質管理やなかなか進まない案件形成など、実務面での課題が山積していることに加え、エクゼクティブ・ディレクター(つまりトップ)を務めていた女性が昨年任期を残して退任したことを受け、その後継人事が決まる会議でもあるから、ということのようです。

日本はパリ協定の批准も遅れ、この基金についても何か主導的な貢献ができているかと言われればそれはそうではない、というのが現状だと思います。本部がせっかく東半球に設置された機関ですから、理事会の成果と併せて今後についてもぜひ注目して行きたい存在だと思います。