新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ストックホルムへの7枚のチケット

よくThe Economistを読んでいて思うのは、科学関係の記事が読みやすくレベルも高い、ということです。むろん日本の新聞も、科学文化部あたりが週末の特集記事として大きなページを使って書く記事は、十分に深いのですが、あるいはニュースの記事があまり深いことを書いても仕方ないとされているのか、たとえばノーベル賞を受賞した、という記事において日本人以外の受賞についての解説はごくごく簡潔なものであることが珍しくありません。逆に、日本人が取ったとなるとものすごく詳しい解説がついたりするのですが(世界的に見れば日本の新聞は、言ってみればローカル紙なので仕方ないのかもしれません)。

前置きが長くなりましたが、10月8日号のScience and technologyには、つい先ごろ発表された今年の自然科学系ノーベル賞(化学賞・医学生理学賞・物理学賞)について、その功績を国籍に関係なく詳報しているという記事でした。ナノカーに代表されるナノテクマシンの研究、オートファジーの研究そして物質の伝導性にたいする渦の働きの解明と、3つの功績をごく平等かつ簡潔に紹介してくれています。

www.economist.com

経済学賞、平和賞や文学賞もそれぞれ凄いと思うのですが、それがどれだけ人類の進歩・発展に直接的に寄与したのかと考えるとき、自然科学系の各賞がスポットライトを浴びる理由が分かる気がします。それこそが、基礎研究の持つ意味ということなのだろうと思うのです。