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新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アメリカビジネスのこの先

前後しますが、12月10日号のLeadersトップ記事について。

トランプ次期大統領が政権発足に備え、着々と布石を打っていることは日本でも報道されている通りなのですが、その中で彼が人目を引くような個別企業(フォードやボーイングなどについては日本でも報道されています)に対する明示的な要請を繰り返している点が目立ちますね。曰く、メキシコに行くな、アメリカに生産拠点を残せ、云々。

www.economist.com

その文脈で読み解けば、ソフトバンク孫正義氏がVIP待遇でトランプ氏に会えたのも、アメリカに投資をして雇用を作るという申し入れが奏功したというのが見えてくると思います。でも、とThe Economistは説くのです。

もしもメキシコに生産基地を移した方が競争力が増すのだとしたならば、移転しなかったことによって本来なら得られたはずのキャッシュフローを犠牲にすることになります。株主の期待利益は減らされ、税収も増えず、相対的に競争力を増す他のだれかに対して不利になる選択肢をトランプ氏は企業に(しかも個別の)迫っているわけで、結論を言えば「それは違うだろう」と。

保護主義が生んだ大統領、という立場の不利をトランプ氏がどこで問題視し、どこで政策を転換することになるか(記事の書き手はそうならないわけがない、というくらいの勢いですが)、というのがThe Economistの関心事なようです。おそらく日本の、優秀な官僚機構も似たような判断をしているのではないかと思うのですが、そのあたりは若干疑問ですね。ツイッターを軸に情報発信をする彼のやり方は、どうもメディアの考え方とはリズムが違っているように見えて仕方がありません。