新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

もう一つのアメリカ国境で起きていること

おそらくはトランプ大統領当選以降ではないかと思うのですが、最近The Economistの記事ラインナップを見るにつけ、欧米ローカルの話が多くなったなあと言う気がしています。それだけ目線が足元に落ちている、ということなのかもしれませんが。

前置きが長くなりました。今日注目したのは、アメリカとカナダの国境で起きているという、別の不法移民問題の話です。不法移民と言えばメキシコからアメリカへ、に限られた話かと思っていたのですが、このところアメリカからカナダを目指す動きが出てきていて、特に7か国の出身者に入国制限を課す大統領令が出たころから、数はまだ少ないもののアメリカを脱出してカナダへ向かう例が増えているのだそうで。

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確かに、カナダの首相はくだんの大統領令に対して「カナダは移民を歓迎する」みたいなメッセージを発して有名になりましたが、世論調査によるとカナダの国民は移民によって経済が良くなっているという意見を持つ半面で、難民は信用できない、という意見も5割に達しているという複雑な面も持ち合わせているようです(「移民」と「難民」の微妙な違いにご注意ください)。

目線が足元に落ちると、大局観を見失うリスクが高まるのは自明です。メディアとして堅持すべきそのあたりの責任については、私なんかがあれこれ言わずともThe Economistなら当然分かっていてくれるもの、と信じますけど。