新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

とある先進技術の終わりかもしれない出来事

4月1日号のThe Economist誌はBusinessで、連邦破産法11条の適用が決まった米・ウェスチングハウス社の核エネルギー技術と原子力発電の将来について、現状を詳しく伝えながら「再開には長い時間がかかるかもしれない」と、悲観的な見方を伝えています。

それによると、親会社だった東芝のスキャンダルもさることながら、原子力に関する新たな規制の強化や海外プロジェクトの停滞などでウェスチングハウス社の持つ技術がビジネス的に立ち行かなくなったこと、その費用負担を巡る東芝の対応は日米外交関係に影響を及ぼす可能性もあることなどが触れられています。

地球温暖化対策などを含めて、あると考えられていたニーズも再生可能エネルギーの普及や技術革新などにより、原子力発電が再び脚光を浴びる可能性は日々小さくなってゆくということなのかと思います。今回の事件は、ことによるとかつては花形だった先進技術が社会的な要請によって使われなくなるという変化を象徴するものなのかもしれません。