新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

日EU経済連携協定と、日本のメディアがカバーしなかった部分について

7月8日号のThe EconomistはFinance and economicsで、さきごろ大枠合意がなされたと国内でも報道された日EU経済連携協定(JEEPA、という聞きなれない略称が使われています)について伝えています。それによると、モノの貿易に関する自由化や関税引き下げについての内容はほぼ同じ(日本からのクルマ、ヨーロッパからのワインやチーズなど)なのですが、データの保護や紛争解決の手順などが決められておらず、それらについては協定とは別に交渉が行われているのだというお話です。

www.economist.com

The Economistの伝えるところによると、ヨーロッパのシンクタンクの見方として、紛争解決を国が決めた判事に任せるシステムを導入すると、日本にとってそれは中国や韓国との取り決めにも横並びで反映させられることにつながり、そうすると中国や韓国の企業から訴えられることを懸念しているのではないかということです。

このあたり、日本のメディアはしっかり伝えてくれていたかどうか?違うなら違う、そうならそうだという話を、国として言うのが難しいというなら、メディアがその責任において伝えるくらいの矜持をもってほしいものだと思うのですが?

何だか最近、こんなトーンでブログを書くことが多くなってきたような気がします。国内のニュースや新聞が意図的としか思えない明快さで切り捨てた事象について、横文字のメディアが伝えると、そのうち週刊誌あたりが辻褄合わせのようにちょっとだけ報道する、というようなパターン。国内メディアの能力不足に起因するのか、はたまた巷間伝えられるような、政治によるメディア束縛がその原因なのか。そのあたりも含めて、伝えられないニュースには世の中を見るための情報がいっぱい詰まっているように感じています。