新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

劉暁波への弔辞

ネットで流れているThe Economist7月15日号の表紙は、昨日がんで亡くなった中国の民主化運動の闘士でノーベル平和賞を受賞した劉暁波(Liu Xiaobo)氏の、まだ元気なころの横顔です。The EconomistはLeadersのトップ記事と、ChinaそしてObituaryの3本の記事を割いて、彼の死を悼んでいます。

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中国の民主化と人権尊重について西側諸国はもっと声を上げるべきであったと、彼が遺した民主化の青写真である「チャーター08」という文章には、一党支配の終焉と真の自由を希求することが明示されていたと、The Economistは訴えます。

(彼のノーベル賞受賞は、中共政府をしてノルウェーとの断交に踏み切らせ、ようやく昨年国交が再開されたのだそうです。)

事実として彼の死を伝えたメディアは日本にも数多くあったと思いますが、それが意味するところを伝えようとしたメディアは少なかったのではないかと思います。ネットなどでは何人かの保守論客が自虐のようにその控えめな報道ぶりを非難していたようですが、結局はその程度でした。

せめて、彼のノーベル平和賞受賞が霞んでしまわないように、その受賞記念を毎年思い出すような取り組みがなされて行くように、中国で民主化と人権尊重が進んでゆくようにと思わずにはいられません。