新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

50年かけてもなお

ネットでは4月7日号が流れているThe Economistですが、Leadersは殺人の増加、フランスのストライキ、データセキュリティ、増える中国のエアライン、イギリスの男女間賃金差問題というラインナップで、まあそうだねという感じで眺めています。

目についたのはUnited Statesのトップ記事で、キング牧師暗殺から50年たって、どのくらい人種間の融和が進んだのかについて書かれたものです。

www.economist.com

日本でも、たとえば追悼記念式典があっただとか、メモリアル的なニュースは流れてましたが、50年を経た具体的な変化はどうなのかというような、判断を伴う論評はまずメディアには出てきてないと思います。

The Economistが取り上げたのが、人種間融和を表す指数です。これは100が完全に分離されていて、0が均等に混じり合っている状態だとするものですが、50年前のアメリカにおける白人と黒人の生活の場は、平均で93くらいだったそうです(ほぼ分離された状態)。それが今では全米平均で70くらいに下がってきていて、都市によっては80を超えるニューヨークなどまだ少し高い場所もあるようですが、人種間融和はそれなりに進んできている、あるいは50年かけてもそのくらいしか進まない、のどちらとも取れるのですが、要はそういうことかという現状を数値で認識することの重要性を改めて感じたニュースでした。