新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アスパラガポシス、をご存知ですか?

だいぶ間が空いてしまいました。

2019年11月2日号のThe Economistは、Science and technologyのページで、家畜に食べさせると消化酵素の活動を阻害してメタンガスの発生量を減らす効果を持つ海藻が発見されたことを伝えています。

https://www.economist.com/science-and-technology/2019/10/31/the-answer-to-livestock-that-burp-methane-may-be-seaweed

記事によると、家畜が海藻を食べるという記述はアイスランドの伝承やギリシャの古文書にもあって、確かに今でも牛や羊に海藻を食べさせると嫌がらずに食べるのだそうです。その中でもアスパラガポシスと呼ばれる海藻にメタン抑制効果が認められており、この成分を与えると家畜の発育そのものも良くなるのだとか。

メタンガスは二酸化炭素の28倍の温室効果をもたらしていることから、家畜のゲップが気候変動に及ぼす影響は無視できないレベルにあります。自動車の二酸化炭素と同等の影響があるとの分析もあるそうです。28倍の効果があるということは削減することによる改善効果も大きいということなので、この発見には期待も集まるのではないでしょうか。

記事ではこの海藻を養殖して、成分を内陸にいる家畜にも有効成分を与えてはどうか、との案も紹介されていますが、海藻の養殖技術であれば日本の出番もあるのではないか?記事を読んでいてそんなことを考えました。