新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

中国の自動車産業

11月25日号はBusinessのページトップで「速いもの、凄まじいもの」という見出しで中国自動車産業の活況を伝えています。

海外大手メーカーの現地生産が相次いだ数年前とは変わり、現地メーカーの自主生産が進んでいること、北京オートショーでは現地メーカーの自主開発によるハイブリッド車や電気自動車など先進的な出展が相次いだことが記されています。

懸念材料として記されているのは、あまりにも急激な発展と、価格志向の強い生産がもたらす技術的問題やブランド形成の不足・品質上の欠陥について、ということです。CheryやGeelyなどの現地メーカーが、先進国市場への進出やハイブリッド車の発売を延期していることをその裏づけと捉えているようです。

クルマ産業が弱体化してしまった国のメディアだから、というわけではないでしょうが、モノマネデザインの横行に見られる知的所有権問題等の「踏み込み」については、The Economistよりも日本のメディアのほうがよほどしっかりした苦言を呈しています。
(私は日本の活字メディアは仕事関係以外ほとんど読まないが、ネットはどうしても見てしまいます。)

また、中国側メディアの反論も面白い。

いずれの見方も一定の視点から現在の中国自動車産業について述べてくれているようで、併せて読むと立体的な映像が浮かび上がります。

総合メディアに得意・不得意があるとすれば、やはりThe Economistは製造業について多少弱いところがあるかもしれません。多国間レベルの政治と科学、書評については流石と思うことが多いですが、こと製造業については日本のメディアを追いかけるのも悪くはないと思っています。

ただ、多少目が留まったのは同じ記事の最後に「信頼性と高品質のクルマを作っているメーカー」としてトヨタと韓国の現代自動車が挙げられていたことです。そうかー、国内では評価の高いホンダでも、現代の後塵を拝しているんだなーと単純に関心すると同時に、現代の足音はすぐ近くに聞こえていることを改めて認識した記述ではありました。確か、新車に関するクレーム数は現代自動車が最も少なかったと言う統計があったように覚えていますが、昨年のアメリカ市場でしたっけ?どこで見たのかトラックできません。誰か、教えてくれー。