新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2012-01-01から1年間の記事一覧

クルマの来年

12月22日号のBusinessには、自動車産業に関する調査会社IHSオートモーティブ社の予測による、2013年の自動車生産・販売台数に関する一寸興味深い数字が出ています。それによると、エコカー補助金の終了に伴い日本の販売台数は1割ほど落ち込むだろうとのこと…

安倍晋三は闘士か?

12月22日号のAsiaには、「闘士・安部」というタイトルで新政権を担う安倍晋三氏が直面する課題についての記事があります。 保守政治の何たるかを議論する前に、まずは経済を何とかしなくてはいけないということが、彼の立場を微妙なものにする、ということで…

変化とそのスピード

12月1日号のAsiaでちょっと目を引いたのは、「世界で最も肉を食べる国」とも言われるモンゴルで広がる菜食主義についてのお話です。健康志向の高まりだとか、外国との交流が増えたこと、経済が良くなってきていることなどさまざまな理由はあるのだと思うので…

イカ4杯?

ネットで流れている12月1日号をざっと眺めています。Leadersのトップは、IT業界の巨人たちが演じるバトルと今後の展開に関する解説記事です。 大変興味深いのは、The Economistが4強としているのが、Google, Apple, FacebookそしてAmazonで、Yahooはおろか、…

短期的視点と長期的視点

11月24日号のSchumpeterは、企業評価の視点として短期の株価を偏重する考え方に疑問を呈しつつ、長期的視点をどのようにバランスさせたらよいかについての興味深い議論を載せています。一時期、デイトレーダーなる株の短期売買を生業とする職業(?)が注目…

海でも?

11月24日号のBanyanでは、海洋を巡るインドと中国の潜在的対立に関する分析記事が出ています。普通の感覚で世界地図を想像すると、「は?」と言いたくなる人もいるかもしれません。なぜなら両国は決して隣り合う海域を巡って直接対立するような位置関係には…

カタロニアの話、そして

11月24日号のBriefingでは、スペインの東部に位置するカタロニア州(バルセロナのあるところです)の分離独立運動についての記事が出ていました。ちょうど今日のNHKニュースでも取り上げられていたので、ご存知の方も多いと思います。 先日、バルセロナで…

イスラエルとパレスチナ

11月24日号のLeaders、トップはイスラエルとパレスチナの間で交わされた停戦合意と、中東和平の今後の展開についての話です。ま、結論としては「国際社会の後押しで1967年に合意された国境線にもとづくパレスチナ国家の建設やエルサレムの共有を実現すること…

オバマ大統領がミャンマーを訪問するそうですが

この週末からニュースでも取り上げられているASEAN首脳会議は、火曜日にかけて日米中の首脳も参加する予定とのことで、これに先立ってオバマ大統領がミャンマーを訪問するとの報道にはさまざまな解説がついています。曰く、まだ政治犯を抱えている国を訪れる…

51番目の州

11月17日号のUnited Statesで気になったのは、カリブ海に浮かぶプエルトリコで行われた住民投票の結果、現在のアメリカ連邦自治区という立場から、51番目の州になることを選択しようと言う住民が初めて多数派になったと言う記事でした。連邦自治区において、…

油景気に沸くアメリカ?

11月17日号のLeadersを見ています。 トップはユーロ危機とフランス経済について、その他にはアメリカの税制について、BBCスキャンダルについて、中国の新政権について、アメリカとシェールガス・シェールオイル開発についてといったラインナップですが、…

その間、何してたんだろう

11月10日号のScience and technologyには、南アフリカで新たに発掘された微細石器(矢じりに使われたと思われる)と、人類の進化についての記事が出ています。およそ4万年くらい前から世界で盛んに使われたこのタイプの石器は、これまで6万年前のものとされ…

2060年になっても

11月10日号のFinance and economicsには、OECDによる2060年の経済予測値の中から、国民一人当たりのGDPがどのようになるか、アメリカの2005年に対する購買力平価で示した興味深い数字が出ています。それによると、カナダが85%強、日本やドイツ、イギリスが…

共和党の失敗に学ぶとしたら

11月10日号のLexingtonは、米大統領選の敗北を受けて党勢の立て直しを図る米共和党にとっての現状について、興味深い分析を載せています。まず、敗北と言っても議会選挙を含めて言うと、共和党は必ずしも負けすぎなかったことがポイントになるということで、…

鏡を見るような?

11月10日号は、当たり前といえばそうですが、アメリカ大統領選挙の総括と今後の展望についての記事がLeadersのトップに来ています。結果的にはオバマ大統領の順当勝ちと言えるのかもしれませんが、前回の熱狂とは程遠く、直前の経済統計やハリケーン被害への…

変わりつつあるのか?

11月3日号のLeadersですが、やはり今週火曜日(日本時間の水曜日)に迫った米大統領選挙に関する記事がトップで、しかも3000件を超す読者コメントが寄せられています。ま、そっちを見ても良いのですが、今日はその陰で珍しくLeadersに入った日本の企業統治に…

デジタル機器はモバイルに?

10月27日号のBusinessには、マイクロソフトが新たに発売したWindows8を巡る観測記事が出ています。興味深かったのは、パソコン、タブレット、スマホのそれぞれの分野で「勝ち組」が鮮明になってきていること、でしょうか。先ずパソコン分野ですが、これは相…

習近平は共産主義から脱却できるのか

ネットでは10月29日号が流れています。Leadersのトップ記事は、11月に中国のトップに着く習近平氏が直面するであろう現状について、様々な制度疲労が積み重なっていることを指摘したうえで、敢えて習氏に対して共産主義からの決別とも言うべきいくつかの改革…

サプライチェーンの問題?

10月20日号のBusinessには、尖閣諸島を巡る日中関係の悪化が日中間のビジネス、特にサプライチェーンの運営に大きな影響を及ぼしているという記事が出ています。この環境にあって、ユニクロや三菱自動車など、中長期の拡大路線を明らかにする会社もあるそう…

つかの間の

10月20日号のAsiaには、シアヌーク前カンボジア国王の死去と、それに伴いカンボジアに生じる将来への不安についての記事が出ています。確かに、カンボジア国民にとってはフランスからの独立を勝ち取り、対米戦争とそれに続く内戦の結果として生まれた新生カ…

引き分けでしたっけ?

10月20日号United Statesのトップ記事は、先日行われたアメリカ大統領選挙の第二回テレビ討論会の結果についての論評が出ています。既に日本国内でも、世論調査の結果などでオバマ大統領が勝ったと判定する人が多数であったという結果が報じられており、これ…

響かない拍手

10月6日号のAsiaには、日本のナショナリズムについての論評が出ています。主には石原都知事による尖閣諸島購入が野田政権により防止されたこと、でもそのニュアンスが中国には伝わらなかったこと、それにもかかわらずメディアがあれこれ書きたてることなど、…

米大統領選挙

10月6日号のLeadersトップ記事は、やはりこの時期になると、ということでアメリカ大統領選挙を巡る話題です。第一回目のテレビ討論の結果が世間を賑わせたことは周知のとおりですが、今から11月までThe Economistも「これでもか」というくらいあれこれと、選…

LCCは空を制覇するか

9月29日号のBusinessには、AirAsiaの日本進出と絡めて、同社が描くアジア戦略とLCCの未来についての観測記事が出ています。日本の次は韓国を狙っているのだそうですが、満を持して(?)進出したヨーロッパ線は、損失が埋まらず早々に撤退を余儀なくされたの…

人口動態が示す未来

9月29日号のFinance and economicsには、先進各国の戦後ベビーブームに生まれた世代がもたらすであろう財政圧迫に関して、経済統計から導かれる予測値を示しつつ、それが深刻なものであることを示しています。日本でも「団塊の世代」が生まれた戦後ベビーブ…

原因不明

9月29日号のLexingtonは、米国大統領選挙に向けて、民主・共和両党のまず目指すべきところが論争における勝利などではなく、投票への熱意を失いかけている支持者をいかにして投票に行かせることができるかである、という意見記事になっています。日本も政党…

経済危機下の経済改革

9月22日号のFree exchangeは、ユーロ圏諸国のうち経済危機に瀕する各国が実践しようとしている経済改革について、好況時であればさほどの痛みを伴わずに実施できたものでも、事ここに及んで経済危機のさなかに実施しなくてはならないことが、政策実現を一層…

過熱

9月22日号の表紙は、これしかないと言う感じで尖閣諸島の写真が出ていて、「アジアはこれで戦争になるのか?」という副題がついています。 尖閣諸島や南アジアを巡る中国の独善的な態度を、The Economistは「100年前のナチを見るようだ」と評していますが、…

ユーロは生き残れるのか

9月15日号のLeadersには、「ユーロ危機を歴史が評価するとき、2012年9月がその潮目の変化として記録されるであろう」とのやや大げさな書きぶりで欧州中央銀行が最終リスクの引き受け手になることが正式に決まったことへの全面的な賛意を示す記事が出ています…

インドへの奇妙な投資

9月8日号のFinance and economicsには、さきごろインド政府が発表した外資大手への追加徴税法案や新大臣の就任に前後した事務手続きの遅れなど、外国投資家にとって不利になるような変化があるにもかかわらず、インドへの投資が増えたと言う謎についての解説…