新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2014-01-01から1年間の記事一覧

アベノミクス中間評価

11月22日号のLeadersには、日本の総選挙に関するThe Economistらしい論評が載っています。曰く、安倍首相の考え方は良いが、実践の手法においてあまりに保守的ではないか、というものです。 たしかに、大企業のボーナスは上がり、人手不足も深刻で、景気が良…

中国、その将来の成長について

10月25日号のThe EconomistはFinance and economicsの中で、2023年~2033年に向けた中国の経済成長に関する観測を述べています。 それによると、仮に年率9.7%成長を続けるとGDPでほどなくアメリカを凌駕し、2033年には2013年のアメリカのGDPに比べて3倍のサ…

世界を制覇しない生き方

The Economist10月25日号のBusinessには、好調な日本の下位自動車メーカー(スズキ・マツダ・スバル・ダイハツそして三菱)に関する記事が出ています。むろん円安は大きな追い風なわけですが、それにとどまらない強みがあるとの分析です。いわく、得意市場へ…

原油安

普通に日本のメディアに接しているだけだとあまり実感はないかもしれませんが、原油の値段が下がっている、のだそうです。The Economist10月25日号のLeadersによると、今年1月に1バレル115ドル超まで値上がりしたブレントの価格は、85ドル近辺にまで下落して…

ユーロは持つのか

ネットでは10月25日号が流れています。Leadersのトップ記事は、エボラ出血熱でもイスラム国でもありませんで、懸念される欧州のデフレについてとなっています。 この期に及んで財政健全化と緊縮を基調とするドイツ・メルケル政権に批判の矛先は向いているよ…

TPPもたぶん

ネットで流れている10月11日号のLeadersには、自由貿易協定のちょっと進化した要素として語られることの多い外国投資家保護に関する困った話、いわゆる「逆作用」みたいな事例についての記事が出ています。 曰く、保護された外国投資家が、国内の政策が変わ…

The Economist流といえばたしかに

9月4日号のAsiaには、開業50年を迎えた新幹線についての記事が出ていますが、まあそれはそれとして、The Economist流な落ちだと思ったのが中央新幹線の建設資金に関する記述で、借金大国となった日本政府が470億ドルにも上る資金の、最低でも一部を負担…

遠くないかもしれない夜明け

10月4日号、表紙とLeadersのトップ記事は、香港の行政長官選挙をめぐるデモについてのものですが、それとリンクする形で中国に関わるもう2つの記事でもこの件が取り上げられていて、The Economistが示す関心の高さが窺えます。確かに同誌はイギリスの週刊誌…

カジノとパチンコ

The Economist9月27日号のBusinessには、カジノの合法化に絡めて日本のパチンコ産業に関する短い記事が出ています。それによると、かつてヤクザの資金源だったパチンコが警察官僚の天下り先となったことで官僚化し、かえってコスト効率が下がったということ…

脇の甘さには

The Economist9月27日号のAsiaには、日本で広がるヘイトスピーチと、それに対する安倍政権閣僚のコメントや過去の行状などを結び付けて、最近やや下火になった感のある「安倍政権=極右」を連想させるような記述の記事が出ています。 ちょっと気になったのは…

今中国が困っていること

9月27日号のLeadersとChinaには、建設が進む揚子江大運河に関係して、中国(北京周辺地域)が抱える水不足についての興味深い記事が出ています。もともと北部はそれほど水の豊かな土地ではなかったようですが、産業の発展もあって大変な水不足に悩まされてい…

もしもこの世から現金がなくなったら

9月20日号のFree Exchangeは、あくまで仮定の話ではあるのですが、仮にこの世の中から現金というものがなくなることがあったなら、という話について深堀りした分析を示してくれています。なんでそんな話が出るのかと言うと。 なんでも過去20年ほどの間、アメ…

ソニーの苦悩

9月20日号のBusinessには、ネットワーク機器の製造からクラウドコンピューティングを含むITビジネスに打って出ることで、「2020年までに10倍の成長」を目指す中国のHuawei(華為)と、今期無配に陥ったソニーについての記事が並んで出ています。 かたや昇日…

経験値は期待を凌駕するのか

9月20日号のUnited Statesには、このほどアイオワ州を訪れたヒラリー・クリントン元国務長官の、次期大統領選に向けたと思われる活動とそれを取り巻く環境についての分析記事が出ています。 それによると、オバマ大統領よりも長いワシントンでの政治キャリア…

無謀のような

金曜日の朝、すでに9月20日号がネットで公開されています。Leadersのトップは中国の習近平国家主席についての記事です。それによると、彼一人に権限を集中させる動きが政策変更を容易にし、一人っ子政策の緩和や汚職対策、さらには戸籍制度の近代化に向けた…

アメリカのイスラム教徒

9月6日号のUnited Statesには、今やイスラム教過激派の人材供給源となった感のあるヨーロッパに比べて穏健なアメリカのイスラム教徒についての分析記事が出ています。なぜアメリカのイスラム教徒は過激化しないのか。 その理由はいくつかありそうなのですが…

中国民主化への長い道程

9月6日号のLeadersが、ウクライナ問題に続いて長い記事を載せているのは、先ごろ決まった香港の行政長官選挙(2017年実施予定)の実施方法について、中国共産党が認めた候補でないと立候補できないとする変更が、民主化への流れに逆行するものであることへの…

売られたり、買われたりすること

8月30日号のBusinessには、これまで7度も会社が売られたり買われたりしたという、ハンバーガーチェーン大手のバーガーキングについての話が出ています。ちょっと示唆的だったので、今日はこの記事に注目です。 さて、記事によると1996年以来今に至るまで、ア…

より快適な町

今日は、The Economistの紙面を離れて電子版でアクセスできるDaily chartの記事を見てみます。「世界の都市の暮らしやすさ」を数値化したデータが出ているのですが、それによると最も暮らしやすいのはオーストラリアのメルボルン、ついでオーストリアのウィ…

ちょっとだけ、めんどくさい。 

8月30日号のBusinessには、マーケティングにおけるブランドの役割とその変化について面白い記事が載っています。それによるとネット社会の充実によって、品質保証など購入者にとってブランドが果たす役割のうち、ある程度の部分はSNSや各種の情報比較サイト…

インドが外向きになることについては

8月30日号のLeadersには、昨日から日本を訪れているモディ首相のインドがその外交姿勢をこれまでより外向きへと変化させつつあることについて、それが急激に起きた変化ではなく、これまでの政権が目指してきた一定の方向性を受け継ぐものであること、そして…

平民の男のファンファーレ

7月26日号は、マレーシア航空機撃墜事件を巡り、ロシアに対する疑問や意見記事などが目立つのですが、Leadersの2番目にはインドネシアの大統領選挙で当選したジョコ・ウィドド氏についての期待感を示す記事が載っています。必ずしも民主主義が有効に機能して…

第三の矢と、歴史にささった棘

6月28日号の表紙は弓に矢をつがえようとしている安倍総理の図案です。そしてLeadersとAsiaには、アベノミクスの現状と今後に期待する、というThe Economistの意見記事とも取れる内容の記事が出ています。 国内ではアベノミクスの第三の矢よりも、どちらかと…

遠因

ネットでは6月21日号が流れています。 Leaders のトップは際限なくそのビジネスの守備範囲を伸ばすアマゾンドットコムについて。そしてその次は、先日も書きましたがイラクで猛威を振るうISIS ( Islamic State of Iraq and Greater Syria)について、となって…

ISISというんだそうです

ネットでは、6月14日号がリリースされています。 Leadersのトップ記事は、イラク北部を制圧したアルカイダ系の過激派組織(日本のメディアではこう呼ばれています)であるIslamic State of Iraq and Greater Syria (ISISというそうです)について、内容的に…

苦戦する日本の高級車

6月7日号のBusinessには、世界市場で苦戦するレクサス、インフィニティ、アキュラの三ブランドについての分析記事が出ています。それによると、レクサスは確かに北米では成功したが、中国をはじめとする他の大市場では欧州勢に大きく水をあけられていて攻勢…

The Economistがワールドカップについて書けば

ネットでは6月7日号が流れています。表紙とLeadersのトップは、ある意味で当然といえば当然なのですが、FIFAワールドカップについてのものです、しかしながら流石The Economistだけのことはあって、そのタイトルは「美しいゲーム、汚いビジネス」と(汚い、…

アジアの、本格的な台頭について

5月31日号のLeadersトップ記事および特集記事は、アジアの大企業が本格的な攻勢を取りはじめることについての分析で、期待と警戒が入り混じった言葉が並んでいます。中国をはじめとして、これまで続いた高度成長時代が一段落し、労働集約型事業における投資…

新首相への期待

ネットでは、5月24日号が流れています。表紙とそしてLeadersのトップでは、先日の総選挙でインドの政権についたBJP党首のナレンドラ・モディ氏が大きく取り上げられています。つい先日もインドについては書いたばかりで、記事の内容もさほど大きく変わっては…

中小企業天国?

5月17日号のBusinessには、中小企業、しかも個人経営のような小規模のビジネスが盛んなメキシコについての記事があります。税金対策や中小零細企業向けのさまざまな政策が、成功者をして大規模化を逡巡させるような結果を招いているのだとか。しかしながら適…