新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

あいかわらず混戦

2月25日号のLexingtonは、混戦が続く米共和党の大統領候補選について、意外にも伸びているサントラム氏に焦点を当てながら論評しています。2月初旬の三連戦(コロラド、ミネソタ、ミズーリ)を取ったのが大きかったこと、対抗馬のロムニー氏にとっては父親の…

ファイナンスの現代史

2月25日号のLeadersです。 まずはイランの核開発問題と、それに対応しあぐねる米英および国際社会の取るべき戦略について。次に、ここ20年ほどの間に開発された各種金融サービスと、それがもたらした新しい金融の在り方について、漁業者の漁業権について、イ…

決められないこと、遅いこと

2月18日号のBusinessには、かつて栄華を誇った日本の電機産業の凋落についての分析記事が、そしてFinance and economicsには日銀によるデフレ対策についての、短いながら立場を明快にした論評が載っています。電機産業の凋落についてはNECをその例に取り上げ…

国が縮まるということ

2月18日号のEurpoeには、最近欧州各国により合意されたギリシャへの追加支援策の前提となったギリシャの第二次再建策に関する記事が出ています。 暴動・混乱・政治の主役交代、その他国家経済を強制的に縮めるためにギリシャが経験したさまざまな軋轢は、縮…

内向きなインド

ネットでは2月18日号が流れています。さっそくLeadersを見てみると、気が付けば規制の山を築いていた自由の国アメリカとその解決策について、ギリシャ問題が一山越えしたヨーロッパの問題解決ははるか先にあると言う分析について、隣国に対して傍若無人であ…

社会の変容とグローバルスタンダード

2月11日号のSchumpeterは、アメリカで進む同性愛者の社会進出と、それを公に受け入れる企業の変容について論じています。当事者はもちろんのこと、同僚やユーザーから見ても、たとえば「同性愛者にまで気を使う企業は、当然男女差別などをしない会社」という…

意外な北朝鮮

2月11日号のAsiaには、北朝鮮で起こりつつある携帯電話ブームについての記事があります。エジプトの(!)携帯電話会社が北朝鮮政府と合弁ではじめた携帯電話サービス「コリョリンク」は、スタートして1年半で100万台の加入があったとかで、急成長しているそ…

もうひとつの「変化」

2月11日号のAsiaには、アラブの春に擬するような書きぶりでミャンマーの軍事政権に見られる急激な変化についての記事が出ています。アウン・サン・スー・チー女史の自宅軟禁からの解放、政治犯の釈放、民主化へとつながる選挙の準備など。。。 アラブの春が…

見極めは難しい

2月11日号のLexingtonは、アメリカで導入される「被雇用者向け保健パッケージ」という政策が巻き起こした宗教と政治の対立(?)についての記事が載っています。 これは何かと言うと、オバマ政権の重要政策の一つとして、雇用者が従業員に対する保健サービス…

ちょっと違うシリア

ネットでは2月11日号が流れています。 Leadersは、シリア問題について、大統領選を控えるロシアについて、先進国経済の停滞について、パキスタンおよび国軍について、アフリカに広がる資源ナショナリズムについて、となっています。シリア問題についての論評…

報道されない日本の対外投資

2月4日号のFinance and economicsには、アメリカで日本の大手銀行が行っている投資行動についての興味深い記事が出ています。曰く、80年代後半からの目立つばかりで損も多かった大規模投資とは違い、慎重で、少数株主として金融分野に限った投資を続けている…

イランとシリアとロシアと中国

今日はPrint editionからちょっと離れて、Web版のトップにあるシリア関係の記事から少し深掘りしてみました。 1) シリアについてThe Economistが最も関心を抱くのは? シリアについての視点ですから、無論第一義はシリアそして中東の民主化運動についてだろ…

Facebookの提供する価値とは(2)

2月4日号、前半のBriefingは、新規株式公開(IPO)を控えたFacebookとその可能性について、かなり詳細な分析をしてくれています。ただ、どれだけ技術的な分析を加えようと、ユーザー数や広告収入の変化に着目しようと、SNSが持つ本質的な魅力と限界に比べてこ…

Facebookの提供する価値とは

ネットでは2月4日号が流れています。Leadersは、Facebookの株式公開、イギリスのジャーナリズムとプライバシー保護の関係、フランス大統領選挙と公的支出、中国経済と機能していない固定資産税、アフガニスタンとアメリカ軍の早期撤退についての記事となって…

種族の力

1月28日号のSchumpeterは、世界経済の枠組みについて興味深い論評を行っています。かつて東西冷戦時代に「東側」「西側」で括られていた世界経済の枠組みが、ソ連崩壊に伴い90年代には「米国」「欧州」「日本」の三極で語られるようになり、最近は「先進国」…

中国流ビジネス・中国流政治

1月28日号は、Asiaとは別にChinaという章が設けられていまして、これが特集号としての扱いなのか、それとも今後もそうなるのかはわかりませんが、そのトップ記事が中国の民間企業と共産党の関係についての分析です。それによると、かつてはどの企業にも存在…