新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

客観視の利

今日も東北関東大震災関連の話題です。ネット版に出ている被災地からの最新の写真に対する読者のコメントに、客観的に災害対策を語るものがありました。いずれ国内でも同様の議論が出てくるものと思われますが、意味するところは大きいと思いましたので拾い…

またまたイチバン

ネット版のトップは、福島第一原発の現状とプルトニウム漏れについてのニュースです。それみたことか、という調子のデマゴーギーや原発反対派と見られる方々の感情的・煽情的なコメントに交じり、冷静に事態を見ようとする意見もあるのですが、事情はどうあ…

世界経済への余波

3月26日号、Finance and economicsには、日本の大震災と欧州の経済危機それにリビア問題などが世界経済に及ぼす影響について、識者の知見を投資家がどのように解釈して投機を含む投資活動に動こうとしていたかという記事があります。ロンドンで大震災に関す…

他山の石

3月26日号のUnited Statesを斜め読みしています。目についたのは、リビア問題を巡るオバマ大統領のリスク回避型対応に疑問符を示したLexingtonですが、それ以上にアメリカからカナダにかけての西海岸で発生しているという地震を巡るあれこれは、他山の石なら…

地震から少し目を離すと

3月26日号は、相変わらず東北関東大震災関連のニュースも載っていますが、世界の関心事はThe Economist電子版の順番で言えば?リビア情勢、?世界経済、?アメリカの国家予算、?海洋生物の多様性ときて、?日本の地震と原発、という順番になっていることからもわ…

原発への賛否

ネット版のトップはWhen the steam clearsというタイトルで、福島第一原発の水蒸気になぞらえて、この問題が解決されたら(水蒸気がなくなったら)原子力発電はどうなるのか、というThe Economistrらしい問題を取り上げています。メキシコ湾で海底油田のリグ…

日本の危機

震災から2週間が経とうとする今日、ネットでは3月26日号が流れています。Leadersのトップと表紙はさすがにリビア情勢についての内容ですが、東北関東大震災についての記事も相変わらず大きな紙面を占めています。その中で、Leadersの2番目に「これはリーダー…

ゲンパツについての説明

3月19日号のScience and technologyは、福島第一原発で発生したトラブルと、ありえた最悪の状況と、緊急的な対策が取られた経緯をかなり中立的にしっかりと報道しています。読者コメントも好意的なものが多く、The Economistの隠れた強みである「科学・技術…

実績値が物語る復興の力

3月19日号のEconomic focusでは、東北関東大震災に関してそのダメージがどのように復興されうるのか、について興味深い情報を提供してくれています。世界的に言えば、洪水は農業生産性を高める効果もある(肥沃な土が大規模にもたらされる)反面、地震はイン…

顕れたリスク

震災から11日が経ち、このブログもようやくPrint editionの参照に戻ります。と言ってもまだ震災関係のBriefingからなのですが、福島第一原発に関する3月17日時点の記事で、The risks exposedというタイトルが物語る通り、今回の事故で露わになった原発のリス…

真実を正しく伝えると言うこと

ネット版の3月20日付けBanyanには、Picking up the piecesというタイトルで東北関東大震災の現場からの詳細な報告が載っています。目撃した被災現場の様子や出会った生存者から聞いた話を出来るだけ克明に報告しようとする記者の真摯な熱意が伝わってきます…

The fallout、って言ってますけど

3月19日号の表紙は、坂を転げ落ちようとする日の丸を、原発作業員たちが必死に食い止めているという絵になっておりまして、タイトルは大きく"The fallout"と書かれております。で、当然トップ記事は東北関東大震災に関する報告でありまして、なかんずく原発…

地震の後にくるもの

ネット版のThe Economistはトップ記事で日本の地震について発信し続けています。現在アップされているのが原発の問題で、これは本当に大きな懸念材料です。反面、読者コメントにはさまざまなお気づかいや、激励のメッセージが次々と寄せられています。地震の…

中国の対西欧への影響

ネットでは3月12日号が流れています。Leadersのトップは、躍進する中国経済を支える民間企業と、これまで何とかその成長を下支えしてきた国とが、考え方の違い(資本主義と共産主義)最終的にどうしても摩擦を避けえないことについての、極めて妥当な論評で…

サソリとカエルの話

3月5日号のFinance and economicsには、先ごろ日本のメディアでも伝えられたバングラデシュのグラミン銀行のユヌス総裁解任に関する記事が載っていました。まだ解任されると決まる直前の報道らしく、多少観測的な書き方になっていましたが、少額金融制度を創…

ガイジンお断り

3月5日号のBusinessには、アジアで高まる高度人材需要と、歴史的にその役割を担ってきた米欧人ではなく、地元出身者を雇用する傾向が顕著となっている点についての記事がありました(Asia's talent market; locals first)。アジアと言っても、伝統的なそれは…

堕ちた強者

3月5日号のBusinessには、かつて世界を制覇する勢いだった日本の電機・電子産業が、不採算部門の統廃合や外資への事業売却を進めている話が取り上げられています。かつての勢いを失うプロセスにおいて、日本の企業はあまりにも付加価値の低い仕事をあまりに…

劇場化現象?

3月5日号のUnited Statesで最も目を引くのは、2012年の大統領選挙へ向けた共和党の動きについての記事です。2007年の今頃は、まだ選挙まで1年以上を残しながら前哨戦がかなりヒートアップしてたことを考えると、未だに正式な立候補表明者がいない今回の選挙…

判ってても

3月5日号がネットで流れています。Leadersをざっと見ると、石油価格上昇とそれによる新たな「石油危機」の到来について、リビアの現状と、断固たる態度を取るべき国際社会の立場について、インドのタタやブラジルのエンブラエルに代表される、新興国の大企業…

カーボンサイクル、実は良く知らない大自然のしくみ

2月26日号のScience and technologyで面白いと思ったのは、大気中の二酸化炭素だけでなく、海中・地中そして生物の体を形作っている、地球上のありとあらゆる炭素を分析して、全体のサイクルを明らかにしようと言う科学の取組みについての記事です。そもそも…

古典を大切にするということ?

2月26日号のEconomics focusでは、The Economistも一歩譲る経済学論文の専門誌、American Economic Review (AER)の果たしてきた役割と、同誌が100年を超える歴史の中でトップ20に選んだ経済学論文について、ごくごく簡単な論評が出ています。所得の向上に関…

Eコマースのむつかしさ

2月26日号のBusinessには、中国で急成長するEコマースビジネスと、それを巡る信用問題について興味深い記事が出ています。中国最大のEコマース企業であるアリババ社は、同社が詐欺まがいの行為をしている2200人を超えるユーザーに「ゴールドステイタス」とい…