新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

何がどういけないのか

10月29日号、前半のBriefingでは、市場から酷評されたEU首脳による通貨危機打開策に関する論評が載っています。すでに各メディアでも報じられているところですが、目につく施策とそれについて感じたことを少し。まず、銀行の自己資本強化が謳われていますが…

円高が、止まらなかった理由

10月29日号のLeaders、トップは10月27日に発表されたEU首脳会議による欧州通貨危機への対応策についての論評です。曰く、「穴は明白で、小難しく、説得的でない」、とのことで、全く酷評以外の何物でもありません。なるほどなと思われるのは、技術的な裏付け…

オリンパス事件への厳しい批判

10月22日号のBusinessには、つい昨日今日日本のメディアでも取り上げられるようになったオリンパスの社長解任事件について、比較的詳しい報道があります。むろん、日付から言って二度目の解任については触れられていないのですが、それでも不明朗な顧問料の…

Austerityというキーワード

10月22日号のEconomic focusでは、イギリスをはじめとして各国で続く経済格差に反対する若者たちのデモについての論評がなされています。 それによると、いずれの場合もAusterity(緊縮とか苦行といった意味)と景気の停滞がInequality(不平等、不公平)に…

タバコと旧弊

10月22日号のAsiaは、日本が依然として先進国では極端な愛煙家天国であることにひっかけて、政治的な旧弊に絡めとられつつある野田政権の現状を伝えています。 やや意外な話ですが、だいぶ高くなったという感のある日本のタバコも、アメリカやイギリスに比べ…

本当の意味での付加価値を考える

10月22日号のLeadersのトップには、世界各地を吹き荒れる格差反対デモに絡めて、The Economistお得意の自由主義経済擁護論が掲げられています。 正論、の域を出ないこの記事はしかしながら、「99%を犠牲にした1%」を擁護する論陣を張るまでの冒険はしてお…

最後は穴に隠れる

ネット版で10月20日付のトップニュース、「カダフィ氏死す」の報を読んだのですが、早速各種の写真がついていて、氏が拘束される前に隠れていたという横穴の写真もありました。拘束される直前に穴に隠れていたと言えば、イラクのサダム・フセイン元大統領が…

真のピンチとは

10月15日号のBusinessには、命綱の電子メール送受信でミソをつけたカナダのResearch in motion (RIM)社のピンチに関する記事が出ています。会社の名前を知らなくても、ブラックベリーといえば「ああ、あのちょっと変わったケータイか」と思われる方は少なく…

規則も規制もなく

10月15日号のBusinessでは、日本の経済産業省による「クールジャパン」プロモーション戦略についての紹介記事があります。紹介以外の何物でもないのですが、取り上げられているファッションの考え方はといえば、「ノールール、ノーレギュレーション」(規則…

高まるアメリカの嫌中感

10月15日号のUnited Statesには、アメリカ上院が中国の為替管理に対抗する新たな輸入関税措置を認める法案を可決したことに関する論評が出ています。今週号はLeadersにも対中貿易に関する保護主義的な動きを批判的にみる記事が出ていますが、いずれの記事も…

逃げどころなし

10月15日号がネットで流れています。今朝は時間がないのでLeadersの一本目だけ。Nowhere to hideと題したその記事は、アメリカとヨーロッパで続く経済危機への懸念から、投資家が逃げ場のないピンチに追い込まれている、そしてその近未来はまさに日本が経験…

ワンガリ・マータイさんのこと

10月8日号のObituaryは、先ごろ亡くなられたノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんでした。日本では、環境活動家として、また「モッタイナイ」を世界に広めようとしてくれたことなどばかりが取り上げられていますが、The Economistの紹介はちょっと…

宇宙的自由研究が物語る脱PC、の話

10月8日号のSpecial reportはpersonal technologyというタイトルで、パーソナルIT環境の変化に関するさまざまな報告が載っています。大局的な変化に関する目の付けどころは悪くないとして、The Economistと言えどもさすがに厳しいのは、近未来の話を書いたと…

スティーブ・ジョブスについてもうちょっと

10月8日号後半のBriefingには先ごろ亡くなったアップルの前CEO、スティーブ・ジョブス氏に関する記事が出ています。亡くなった方の記事は、The Economistの場合obituaryに出るのですが、今週はノーベル平和賞を受賞した「モッタイナイ」のワンガリ・マータイ…

放射能 果てしない悩み

10月10日号、Asiaには福島県飯舘村の放射能汚染に関する現場からの報告が載っています。日本のメディアでもあまり伝えられていないその果てしない悩みは、除染活動を進めようが表層土を削り取ろうが、森の木の葉についている放射能が雨や落葉によってどんど…