新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

線引きについての話(ボスニア・スルプスカ共和国他)

1月27日号はEuropeのページで旧ユーゴの近況について伝えています。セルビアでは急進主義政党の躍進が目立つが、急進とは名目で主張としてはEU寄りであること、ただしコソボ問題については慎重な対応を取ろうとしているためコソボ側が警告を発していることが…

ヒラリーなんか、大嫌い

1月27日号はLexingtonのページでHating Hillaryと題して、つい先日2008年の米大統領選挙への出馬を表明したヒラリー・クリントン候補を巡る評判について報告しています。それによると、I hate Hillaryと書かれたTシャツやコーヒーマグなどのノベルティ(?)…

本当のワールド・エコノミック・フォーラムとは

1月27日号はLeadersで地球温暖化対策に関するアメリカの重層な取り組み、ジャーナリスト暗殺事件をめぐるトルコとアルメニアの関係、中国の衛星撃墜、ワールド・エコノミック・フォーラム(以降WEFとします。いわゆるダボス会議です)とWTOの関係、そしてイ…

グローバリゼーションの経済学(言うは易し・・)

1月20日号はEconomics focusのページでThe great unbundlingと言う題でグローバリゼーション時代の貿易経済モデルの可能性について述べています。私は経済学の専門でも何でもないのですが、大学が経済学部だったこと、多少経済学に関係する知識を有すること…

援助に携わる者たち

国際協力に関わる仕事をしている私にとって、1月20日号の記事で外せないものが2つありました。一つはInternationalのページにある"Aid workers - Doing evil to do-gooders" (善行の者に対する悪行)という記事で、趣旨としては昨年夏にスリランカで起こっ…

イン・ザ・マネー

1月20日号の特集記事は、in the moneyという題で大企業が社長など経営トップに支払う報酬の多寡について論じています。ちなみにタイトルとなったイン・ザ・マネーとは、ホリ○モンが最初に経営していた会社、ではなくて、デリバティブなどの評価価値が上がっ…

ライス国務長官の憂鬱

1月20日号は、面白い記事が目白押しです。Asiaのページで目を引いたのは中国の「隠されたエイズ村」とでもいう村の存在で、当局がHIVへの注意を行わないまま血漿献血を繰り返した結果、村民の多くがHIVに感染したことを、当局が隠していた(というか、少し前…

自由貿易と失業問題

1月20日号はTrade's victimsというタイトルで、貿易自由化により失業を余儀なくされる先進国労働者の問題を取り上げています。途上国に対して競争力を持たない産業が貿易自由化により雇用能力を失うとき、国家はどのように対峙すればよいのか、という問題で…

カップヌードルは世界の食べ物だ、という証拠

1月20日号を手にして、まず目に付くのはLeadersでも取り上げられているアメリカ大統領選挙の行方ですが、そのほかに日本に関する記事が3つと多いことにも目が行きます。アメリカについてThe Economistは特に民主党のバラック・オバマがお気に入りのようで、…

アジアの製造業

1月13日号はBriefingでアジアの製造業、特に中国沿岸部の成長と市場成熟による投資の鈍化と他地域への注目度上昇について報告しています。曰く、ベトナムをはじめとする周辺諸国への「チャイナ・プラス・ワン」と言われる地域リスクのヘッジ策の流行、インド…

世銀の行く末

さて、気を取り直して1月13日号のFinance and EconomicsのEconomic focusで取り上げられていた世界銀行の現状に関する論評を見てみたいと思います。世界銀行、または国際復興開発銀行、と言えばODAの世界では巨人です。ブレトンウッズ体制を代表する国際…

間違いの訂正です

17日の記事で、イランのミレナリアン・カルトを「シーア派とスンニ派の混交」というようなことを書きましたが、これは間違いだったと思われますので以下のように訂正いたします。「純然たるシーア派というわけではないが、さりとてスンニ派でもない」。若干…

バグダッドか、それとも?

1月13日号はLeadersのトップで「バグダッドか、破裂か」と題してアメリカの対イラク政策に関する論評を載せ、Briefingで「大統領の最後の一球」と題してその詳報を載せています。ここで注目されるのは、Leadersの副題で、「アメリカおよび同盟国はイラクで失…

イランの立場に立てば

1月13日号はMiddle East and Africaで立ち直りつつあるルワンダ(個人的にはとても興味あり)や、アメリカが再びソマリアへの関与を強めつつあることと併せてイランはイスラエルをどう見ているか、という分析を行っています。この記事を読んでいて、不十分な…

フェアトレードその他に関する意外な底辺の広がり

1月13日号はLeadersでイラク問題(アメリカは敗北した、とおそらく初めて明言)、ロシアとエネルギー問題、胎児幹細胞の研究、中国の会計システム、国家としてのイスラエルとユダヤ人であることの溝、アメリカの州と健保行政など。イラクはその後のBriefing…

ヘマな独裁者

1月6日号はMiddle East and Africaのページで死刑となったサダム・フセインについて書いています。中東地域を巡る政治的バランスと石油に恵まれた彼の上昇期。イランへの対抗措置としてアメリカもまた彼の権力基盤強化を望んだ日々。周囲も意外に思ったクウ…

ビジネス新機軸(ウェルネス・ブームその他)

1月6日号はビジネスのページで、健康産業を多角的に分析しています。スパやさまざまなトリートメントサービス、別コラムでコカコーラ社が新しく投入する健康飲料について。なんとなく日本の後追いだなあと思って読んでいたら、Face ValueのページではAmerica…

クルマが減ったわけ

1月6日号はアジアのページで混迷の様子を呈するクーデター後のタイ、中国の海軍増強、中国の中央アジア進出、独裁者急死後のトルクメニスタン、インド・ビハール州の政権交代などに関する論評が載っています。最終ページの小さな囲み記事で、ハイウェイを奪…

ミッション・インポシブル、映画じゃないよ

1月6日号はLeadersのすぐ後の特別記事(去年まではSpecial Reportと言うタイトルだったのが、新たにBriefingというタイトルに変更)で、国連の大変さについて報告しています。Leadersのトップ記事と連動した詳報であると思って読んでますが、疑問符が付いて…

いつから国連の味方になったんだっけ?

1月6日号はLeadersのトップに「より安全な世界へのチャンス(A chance for a safer world)」というタイトルで、国際社会は国連をもっと有効に使うべきだとの意見を載せています。なんだか結論ありき、のような気もしなくはない記事ですが、これまでどおり国連…

ワイロのエチケット

12月23日号の特集記事でもうひとつだけ、興味を引いたのは「How to grease a palm, Corruption has its own elaborate etiquette (贈賄の方法-汚職には洗練されたエチケットがある)」と言う記事です。談合問題等が日本国内でクローズアップされた2006年でし…

ペンテコスタル派って?

世界のキリスト教では、カトリック系で霊的体験などを肯定する「ペンテコスタル」派がその勢いを増している、というのがその記事の趣旨です。もしやと思ってサーチエンジンを使って調べてみると、確かに大変な数のサイトがヒットします。日本語のサイトも少…

カークパトリック元国連大使死す・他

12月23日号は年末特集記事以外にも通常の時事問題を取り上げていますが、いかんせん年末と言うことで、いつもより多少動きが少ないように見えます。その中で目を引いたのが、ジーン・カークパトリック元国連大使が亡くなったというObituaryの記事でした。一…

jinnを知っていますか

12月23日号の年末特集記事の中に、ちょっと面白い記事を見つけました。それは、イスラム諸国で信じられているという、妖精のような不思議な存在、jinnと呼ばれるものについての記事です。聖書では、神はまず天使を作り、続いて自らのイメージに模して人間を…

チンギス・ハーンは中国人?

12月23日号は、年末特集記事の一つとして「モンゴルの魂を巡る戦い(Battle for Mongolia's soul)」というタイトルで、中国とモンゴルのチンギス・ハーンを巡る争い、というよりも中国がチンギス・ハーンを自らの祖の一人としていることを詳細に取り上げてい…

不正解

昨年末に引き続き、12月23日号から。 Asiaのページでは、米中経済協議や日本の教育改革、ポル・ポト派の戦争裁判、インドの司法などについての短信につづいて、年末特集記事としてチンギス・ハーンをめぐる蒙・中間の歴史認識問題が取り上げられています。こ…