新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

発展の仮面の裏には

7月28日号のAsiaを読んでいて思ったことは、アジア各国の発展の影をアングロサクソンは冷静に分析しているなあ、ということでした。中国の重慶へ流入する農村の若年労働者と、それを巡って発生する都市生活者と農村生活者の生活ギャップ。農村から移住しても…

世界が心配する日本の人口

7月28日号の表紙は泣きそうな顔の日本人の幼児です。Leadersのトップ、そしてBriefingのページでも、日本の人口減少について詳しく報告してくれています。日本のニュース解説等で、私たちにはお馴染みの問題ですが、改めて英語で数字などを読むと、状況の深…

健康保険について

7月21日号のEconomics focusは、マサチューセッツ州が全米に先駆けて導入した州民健康保険制度を参照しつつ、これまで長いことさまざまな議論が繰り返されてきた国民全体をカバーする健康保険制度に関する報告を載せています。老齢者を対象としたMedicareや…

英語ユニバーサル

7月21日号のEuropeのトップは、退潮の止まらないフランス社会党について。人事面でサルコジ政権から何人も重鎮を引き抜かれ、ホランド党首は辞任を示唆し、次の党首は先ごろの選挙で敗れたロワイヤル女史ではないか、との観測が書かれています。同じフランス…

断定

7月21日号特集のイランについてですが、さまざまな分析を加えた後、結局「たとえアメリカ文化に浸った若者であろうと、結局彼らはナショナリストであり、一朝事あれば指導者の下に結束する」と断定的に結論付けられています。何故そうなるのか、何が彼らをそ…

謎に挑む、その理由は?

7月21日号の特集はイランについて、ですがその前に中東・アフリカをざっと概観すると、パレスチナの内紛、オバサンジョ元大統領によるナイジェリアの院政、和平努力から置き去りにされたソマリア、反政府側の内紛により和平合意が脅威にさらされるコートジボ…

トルコの先行き

7月21日号の特集はイランについて、ですしLeadersのトップ記事もイランの謎、と題して民主主義を貫きながらも一貫して反西欧路線を取り、国際社会との対話も積極的に行っているとは言えないイランの現状分析です。それでも目を引いたのは、Briefingで語られ…

ダウンロードしてみました。

The Economistが聞けるようになった、という話は先日アップしましたが、MP3プレーヤーを待ちきれずにダウンロードしてみました。解凍して、デスクトップPCにイヤホンをつないで聞いてみたのですが、なかなか聞きやすかったですよ。読者の皆様、お勧めです。…

集中すると

7月14日号のBusinessのページには短期的業績評価に影響されるアメリカの経営者たち、三角合併解禁により企業買収の増加が見込まれる日本経済、魅力ある新車投入で勢いを盛り返すイタリアのフィアット、自由経済志向が試されるサルコジ政権とフランス経済界に…

幸せって何だっけ

7月14日号はCharlemargneでサルコジ仏大統領とEU当局のユーロ金融政策に関する考え方の違い(サルコジ氏は現在のユーロが高すぎる、と批判。これまでさまざまな努力により貨幣価値を支えてきた欧州当局からすれば逆行)について報告していますが、同時にEu…

聞くThe Economist

7月14日号のOn Economist.comによると、ついにThe Economist全テキストのポッドキャスティングが始まったようです。全部聞くのに6〜7時間、と言いますから私にとっては読むより速いです。ちなみに私は月〜金の通勤電車、都合10時間かけて一冊を通読していま…

Fait accompli、と言われる話

7月14日号のLeadersについて、昨日も軽くふれましたが、国際通貨基金IMFの専務理事選びを巡る構造問題に関わる記事がありましたのでそれについて。俗にブレトン・ウッズ機関といわれる世界銀行とIMFですが、設立この方世銀総裁はアメリカ人が取り、I…

岩にしみ入る蝉の声

7月14日号のLeadersは欧州の復活はどこまで続く?という観測記事を皮切りに、IMFの構造的問題点、パキスタンのモスク突入とその後、エネルギー問題、アメリカの対イラク政策など。今週も特集記事がなく、割と薄めなのですが、アメリカが戦争でてこずり、…

けっこうなお話

7月7日号は特集記事がなくて、あっさり読み終わってしまったので広告や巻末の経済指標を眺めてみました。そうすると、株価の欄がこの半年軒並みプラスで、かなりの好成績を収めていることに気づきました。米ダウジョーンズが昨年末と7月4日の比較で+8.9、日…

ゲームはホルモンが支配する?

7月7日号のScience and technologyは、いつもにくらべて「へぇ」と思う記事が少ないように思えたのは、私の感性のアンテナが違う方向を向いているからでしょうか。地球温暖化に関係する雲の研究の話、ゲノム解析にイソギンチャクが使われている話(ちょっと…

報道された日本の立ち居振る舞い

7月7日号のInternationalで目を引いたのは、確執が深刻化するアメリカとロシアについて、首脳同士の個人外交があまり成果をあげなかったらしいこと、とはいえ「ないよりまし」な関係保全はできたらしいこと(The Economistらしからぬ歯切れの悪さ)、国際刑…

ヨーロッパを結ぶもの

7月7日号を読み進めてゆくと、相変わらず流動的な世界の多極的な動きが良くわかります。大きなトラブルやイベントがなかった分、各地の特派員が「書きたかったこと」をここぞとばかりに出してきた、みたいな感じです。具体的には相次ぐ閣僚の失言に窮する安…

MDGって何でしたっけ

7月7日号のLeadersは、迷走するプライベートエクイティ、テロとの戦いの煮詰まり、貧困対策とミレニアム開発目標、スクーター・リビー氏の減刑、孤立を深めるジンバブエなど。Briefingで詳報されているのは貧困対策にジェフリー・サックス教授などの意見を取…

とある生物学者の死

6月30日号のObituaryは、火星から飛来した隕石にバクテリアの痕跡を見つけたイムル・フリードマン氏の逝去を伝えています。砂漠で海草の痕跡を見つけた実績を持つ同氏は1984年に南極で発見された隕石が火星起源のものであり、有機反応によってしか形成されな…

電話で決済、進化するアフリカ

6月30日号のFinance and economicsで目を引いたのは、ケニアで急速に広がる携帯電話を使った決済サービスで、銀行口座を持たない人にもサービスを提供し、これを財務当局が容認したことから急速にその輪が広がっている、という話です。金融と通信の垣根をど…

女性が減ると

6月30日号はEuropeのページのトップに、難しい内政・外交課題をこなして評価の上がるドイツのメルケル首相についての記事が載っています。日本のメディアも似たような(意外とやるじゃん)論評が多いので、この記事については割愛するとして、次の囲み記事に…

なかなか複雑な友好関係

6月30日号を読み進めると、アメリカの覇権がどれだけ傷つき、どれだけまだ優位性があるかという分析記事(大局的には負け始めた大国、もしくは潮の流れが逆になっている現状、が行間にも見て取れます)に続いて香港と中国との関係および中国と民主主義の関係…

傷ついたりといえども

6月30日号のLeadersは、イラク戦争で深い手傷を負ったアメリカが、そうは言っても以前として世界のSuperpowerであり、その影響力は無視できない、ベトナムから立ち直ったようにふたたびアメリカは立ち直るだろう、という記事がトップに来ています。続いて返…