新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2011-01-01から1ヶ月間の記事一覧

離婚危機

1月29日号のCharlemagneです。フランダース地方とワルーン地方の分裂が問題となっているベルギーについての話です。中欧の小国で、北部フランダース(オランダ語地域)と南部ワルーン(フランス語地域)の間では、北部が豊かで南部が貧しいと言う経済格差に…

アラブの民主化は進むのか

1月29日号のMiddle East and Africaに載っているエジプトの政治的混乱についての記事に注目してみたいと思います。記事そのものは事実関係の報道が中心で、その意味ではNHKなどとさほど大きな違いはないのですが、読者コメントのひとつが大変興味深かった…

The State of the Union

1月29日号のLeadersは、先日行われたアメリカ・オバマ大統領による一般教書演説(The state of the union address)についての記事です。つい先ごろ銃撃された民主党のギフォーズ下院議員(アリゾナ)銃撃事件を受けて、国内に対して融和を呼びかける内容であ…

ナイジェリアと大統領選挙

1月22日号のMiddle East and Africaでは、今年大統領選挙を控えたナイジェリアの選挙前の状況について、包括的な論評がありました。曰く、汚職と不正は続くが現職のグッドラック・ジョナサン大統領が与党統一候補になり、本選もその延長戦として位置づけられ…

第二のスプートニクショック?

1月22日号のUnited Statesでは、中国の胡錦濤主席訪米を終えて、それがアメリカでどのように捉えられたか、かつてのスプートニクショックを引き合いに論評がなされています。1957年、自信満々のアメリカを襲った「スプートニクショック」。ただちにアメリカ…

ダボスに期待すること

1月22日号がネットで流れています。Leadersの一つ目は貧富の差に関する考察で、背景としては26日から始まる「ダボス会議」への期待、ということのようです。貧富の差、は何が悪いかと言うと。The Economistによると、およそ貧富の差の大きな国は社会的不安を…

人口減少の経済学

1月15日号のAsiaには、長崎市にほど近い山村の高齢化を事例としつつ、進む日本の高齢化とそれがもたらす経済的な不安についての記事があります。ま、日本ではずっと言われてきている話なのですが、やっぱり世界的に見ればそれなりに経済学的な議論を引き起こ…

何がCounterproductiveかというと

1月15日号のLeadersには、中国の外交戦略が攻撃的になっていること、中国は胡錦濤酒席の訪米を機に、地域の安定化への協力を申し出るべきだとの記事が出ています。西側のジャーナリズムとしては妥当な意見なのでしょう。ただ、中国の現政権が現状維持路線を…

過剰な生産力

1月15日号のLeadersには、政府による救済策などで一息ついたアメリカの自動車ビッグスリー、そして世界の自動車産業を取り巻く環境についての興味深い記事があります。政府の救済により破たんを免れたGMをはじめとするアメリカの自動車メーカーは、中国の…

インド最大の製鉄所

1月8日号のBusinessでは、韓国の浦項製鉄所(POSCO)がインド・オリッサ州に建設を発表した製鉄所について最新の情報が出ています。曰く、環境保護団体等の反対もあり、結論は中央政府環境大臣の判断にゆだねられているのだとか。ちょっとびっくりしたのは、製…

数字の軽さ?

1月8日号のInternationalには、Googleが始めたNgramというサービスについての論評が出ています。これはGoogleが作成した何百万冊という本に使われた単語のデータベースだそうで、たとえば「汚職」という単語は英語ではあまり使われていないのに、中国語で出…

内患

1月8日号のCharlemagneは、欧州連合大統領(半年間の持ち回り)の地位にあるにもかかわらず、自国において検閲法を導入したハンガリーのビクトル・オルバン首相について、EUが抱える構造的な問題を提起しています。ヨーロッパは、どこまでがヨーロッパなのか…

政治と報道の中間に

1月8日号のBanyanは、引退について言及したと言うダライ・ラマと、チベットの先行きに関する興味深い論評でした。曰く、パンチェン・ラマの継承騒ぎ(チベットが立てた候補と中国が立てた候補が違い、その後チベットが立てた候補が姿を消したこと)や、今一…

新しい国、ようこそ。

1月8日号のLeadersです。まずは組合嫌いの極みのようなThe Economistが書いた、官公庁の労働組合に関する記事。不当にも短い労働時間と高い給与、厚い福利厚生に守られている彼らの条件が民間企業との落差を作りだしている、とする言わば「いつもの通りの」…