新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ピンポン外交

2月23日号のObituaryは、先ごろ亡くなられた卓球の元世界チャンピオン、荘則棟氏について紹介しています。1971年の世界選手権で偶然バスを乗り間違えたアメリカの選手にハンカチを贈り、お返しに櫛とTシャツをもらったところからスタートしたピンポン外交が…

一寸忘れてるうちに

2月23日号のFree exchangeは、二酸化炭素排出権取引の現状と近未来、そして議論されることになる可能性の高いオプションとしての国債炭素取引税に関する論評記事です。世銀の担当者とシンクタンクの研究者による論文が参照されています。 震災もあって、日本…

公共インパクト債券、とでも言うのかな

英語ではSocial Impact Bond、というそうです。The Economist 2月23日号のFinance and economicsの記事に出ていたのですが、かなり興味深いビジネスモデルだと思われたので、今日はこれについて書きます。 今、とある社会的な問題があって、社会にはそれを解…

ハッカー問題と中国における知財

2月23日号のChinaには、先ごろ日本でも大きく報じられた人民解放軍によるサイバー攻撃への関与に関する記事が出ています。日本のメディアは何かそれが軍事的な意味合いを持つものであるかのような読み説きが目立ったと思いますが、The Economistの関心はそれ…

蛙の背のサソリ

2月23日号のBanyanは、核開発を進める北朝鮮を、「蛙の背に乗って川を渡ろうとするサソリ」の例えを引用して、中国を含む国際社会に最後は仇をなそうとする態度に冷やかな視線を送っています。 この例えは、アジア各国で広く聞かれるもので、恩ある相手に最…

見捨てられつつある国

ネットでは2月23日号が流れています。 Leadersのトップは、国として機能しなくなりつつあるシリアについての現状報告と、アメリカの関与を促す内容になっています。長引く内戦を収め、統治能力を失ったアサド政権に代わる新しい政権の絵が描けない中で、未だ…

$20,000,000,000,000

20兆ドル、という何やら意味不明の数字がタイトルになっているのは2月16日号のLeadersトップ記事ですが、そして今週号の特集記事はまさにこの話題ですが、これはタックスヘイブン、もしくは租税回避地の存在などにより、徴税権力が「取っぱぐれた」税金の金…

枯れる海

2月9日号のScience and technologyには、地球温暖化に伴う気候変動の影響が北極海の水産にどのような変化をもたらすかについて、非常に深刻な予測がなされているとの記事があります。長い記事の内容を一言で言ってしまえば、海水の酸性化が生物の骨格・外殻…

安全と安心

2月9日号のBusinessには、中国で爆発的に増加しているアメリカ流ファストフード産業と、安全・安心に関わる消費者意識の変化に関する興味深い記事が出ています。日本でもおなじみのケンタッキーフライドチキンやタコベル、ピザハットなどのブランドを所有す…

どうしたもんだか

2月9日号のAsiaには、尖閣諸島を巡る日中対立と、レーダー照射問題についての記事、といっても事実関係を報道するだけの記事ですが、が載っていまして、今日現在で400件を超す読者コメントが寄せられています。例によって狂信的とも言える中国支持のコメント…

北朝鮮の資本家

ネットでは2月9日号が流れています。 Leadersのトップは、北朝鮮経済に今やなくてはならなくなった「資本家」の存在と、期待される役割、そして中国に対する問い掛けという、The Economistお得意の提言記事になっています。 ヤミ経済というか、非公式経済と…

とりあえず何とか

2月2日号のBusinessには、インドの自動車産業を牽引するマルチ・スズキ社のこれまでと現状についての記事が載っています。鈴木自動車の、というよりも日本の自動車産業の海外進出成功事例として良く引き合いに出される同社についてですが、昨年死亡者を出す…

今年も、ビッグマック・インデックス

2月2日号のFinance and economicsには、毎年恒例のビッグマック販売価格で比較する各国為替価値(いわゆるビッグマックインデックス)についての記事が載っています。 それによると、もっとも為替価値が高いのはノルウェーだそうで、ビッグマック一個が7ドル…

対話の限界

2月2日号のBanyanは、永いこと政権与党が変わらないシンガポールに於いて見られる水面下の変化と、それに対する政権与党の反応のギャップについて興味深い話を伝えてくれています。 それによると、1959年以来政権の座にある与党が先ごろ行われた補欠選挙で野…

新 北欧モデル

ネットでは2月2日号が流れています。 Leadersの一本目は、最近経済の好調ぶりが目立つ北欧諸国について、その新しいモデルが機能している様子を興味深い内容とともに伝えてくれています。 まず、競争原理が社会の隅々にまで導入されていること、そして民営化…