新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「叫び」にも似て

9月20日号のFinance and economicsには、もしかしたら表紙の候補だったのではないのかと思う見事なイラストが描かれていて、その絵がムンクの「叫び」そのもののモチーフなのですが、大手金融機関を襲ったショックを絵で表現すると、そうならざるを得ないん…

良いような、そうでないような

9月20日号、後半です。 今週はglobalizationに関する特集記事が分厚かったこともあって、まだ少し残っていますが日曜日までには読めそうです。地域記事はイスラエルの首相交代プロセスやセルビアの新大統領の勢いについて、が目に留まったくらいでしょうか。…

グローバル企業にとってのフロンティアとは

9月20日号の特集記事はグローバリゼーションについてなのですが、その中で「帝国の逆襲」(スターウォーズですね)というタイトルで、世界的大企業が新興市場でどのような戦略を取っているかという記事がありました。現地スタッフを登用する、現地の労働力の…

変化、あちこちでの。

9月20日号です。アメリカの大統領選挙は言うに及ばず、自民党総裁選の記事やCharlemagneが悲観的なことを書いたEU統合、そしてジンバブエで実験される呉越同舟政権の記事を読んでいて、そのそのどれもが明示的に、あるいは非明示的に、これまで歴史上人類が…

善良なる非居住者

9月20日号です。Leadersは、相次ぐ大企業の破たんとそれに苦慮する財務当局、混乱する市場についてなど。「次は誰だ?」とは市場の素直な反応ではないかと思われましたが、さしあたり小康状態で週が変わりました。ただし、住専の問題から山一、拓銀の破たん…

Webのほうが面白い

9月13日号の最後のほうですが。Science and technologyは欧州で稼働した世界最大の加速器の話、渋滞解消の研究、宇宙空間でも生きられるバクテリアの話など。Books and artsはイギリスの現代芸術家、ダミアン・ハーストの話など。Obituaryは自転車で世界を走…

がん幹細胞仮説

9月13日号の後半のBriefingは、Leadersのトップを飾ったがん医療の最先端、がん幹細胞仮説について。もしもがんに再生力の弱い一般細胞と、次から次へとあたらしいがんを生み出す幹細胞の区別があるなら、幹細胞のみをたたけば効果はあるはずで、そのほうが…

ヨーロッパの微妙なバランス

9月13日号のCharlemagneですが、対ロシアというパワーバランスについて極めて微妙な立場に置かれたヨーロッパの「立ち位置」についての話が載っています。某国内メディアによると、永年中国との懸案だったウスリー川中洲の島を中国領土として認めることで、…

とても注目される後継首相とは

9月13日号の地域記事を通覧して、やはり目立ったのはMiddle East and Africaのトップを飾ったイスラエルの与党Kadimaの党首選挙についての話だと思います。日本時間の今晩行われる選挙で本命視されているのが現外務大臣で、クリーンさを売り物にしているジピ…

がんと幹細胞

9月13日号の表紙に大きく書かれたタイトルが「がんと幹細胞」です。でもそんなに驚くような新発見があったのでしょうか。さて、Leadersです。まずは幹細胞を狙い撃ちすることでがんを死滅させられるとの新しい治療法について。もっともこれは、ES細胞による…

善は金融を左右しうるのか

9月6日号、後半のBriefingにはイスラム金融についての論評が載っています。語感からするとなにかコーラン時代の遺物のようにも聞こえる金融手法ですが、実は意外と新しく、1970年代に始まった手法のようで、それ以前はイスラム教の人たちも西洋風に金利を取…

IT業界の進歩

9月6日号、ビジネスのあたりです。まずは、Googleが発表した新しいブラウザであるChromeについて。マイクロソフトがネットスケープを駆逐したのはそんなに昔のことだったかとも思うのですが、IE7追撃の一番手だったFirefoxへの出資にはあきたらず、独自開発…

イマジネーションが意味するもの

9月6日号の真ん中辺ですが、今週は三カ月に一度の特集記事、Technology quarterlyが載っています。携帯文化の発達(アフリカで行われているメール送金など)、化学物質センサーの発達とガス検知などセキュリティへの応用、排熱発電などの話はまさに今実用化…

眼鏡違い?

9月6日号の地域記事です。United Statesは選挙へ向けて、という感じの記事や、ペイリン共和党副大統領候補の地元であるアラスカについてなど。で、Lexingtonがちょっとした見込み違いの記事を書いていて、いわくペイリン女史の経験不足と能力について疑義を…

ゼリー扱いされても仕方ない?

9月6日号です。Leadersのトップは、ロシアのグルジア侵攻をきっかけとして浮き彫りになった欧州の弱点、対ロ外交について。資源という急所を握られたヨーロッパがどうしても弱腰にならざるを得ない力関係と、永年の望みだった「欧州への仲間入り」をあきらめ…

底辺の14億人

8月30日号の後半です。私の周辺では注目されている話題の一つなのですが、世間的にはまだまだだと思える話の一つに貧困の話があります。この記事も世銀の調査に関するお話なのですが、まずは2007年4月の発表で、「1日1ドル以下で暮らす」貧困層が初めて10億…

超低価格車のピンチ

8月30日号中盤あたりですが、Businessのページで目を引いたのは、インドのタタ自動車が発表した10万ルピー(2300ドル)の超低価格車「ナノ」の生産工場で起こっているトラブルについてです。インドでは珍しく共産党が政権についている西ベンガル州に工場は設…

民主主義の価値

8月30日号前半です。 Leadersは米大統領選挙に臨む共和党マケイン候補、イラク駐留米軍、コソボとは違う南オセチア問題、アメリカとインドの核をめぐる二国間交渉、アメリカの住宅専門金融機関とサブプライムローンに端を発する信用収縮についてなど。マケイ…