新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2013-01-01から1年間の記事一覧

そうなれば

12月7日号のAsiaには、アメリカのバイデン副大統領による日本→中国→韓国歴訪と期待されるその成果についての記事が載っているのですが、国内で報道されている以上のことはあまり書かれていません。せいぜいあるとすれば、副大統領の訪問直前に中国当局の報道…

世界最大の投資家

ネットで流れている12月7日号、Leadersのトップは世界最大の投資マネジメント会社となったBlackRock社についての紹介記事です。私もこの名前は初めて聞いたのですが、名だたる大手証券会社や投資銀行を押さえて、世界の株式市場を動かす存在になっているのだ…

価値の創造

11月30日号のTechnology quarterlyには、仮想通貨として知られるようになったビットコインの話が出ています。御存知ない方もいらっしゃるかもしれませんが、ビットコインは「中本哲史」というペンネームで書かれた英語の論文をもとに、世界中の技術者が面白…

マージャン的歴史観

ネットでは11月30日号が流れています。 Leadersのトップはイランの核開発問題に関する米英仏独中露6か国との合意についての解説、続いて中国による防空識別圏の設定問題、電子マネーの拡大、EUとの関係を模索するウクライナ、ドイツで成立した大連立政権とそ…

The Economistは中国による防空識別圏設定をどう見ているかというと

ちょっと番外ですが、The Economist電子版から関係する記事を拾ってみました。 それによると、事実関係の整理とともに「中国側は、結局トラブルを避けたいアメリカと日本が中国による防空識別圏設定を事実上受け入れざるを得なくなると読んでいるようだが、…

圧倒的であるということの意味

11月23日号の特集記事はアメリカの外交政策についてなのですが、好調な国内経済とは裏腹に、内政・外交の両面で試行錯誤を続けるオバマ政権にとって、超大国として圧倒的な外交力を誇ってきたアメリカの今後を占ううえで多くの懸念材料があることを記事は改…

動かないと

11月23日号がネットで流れてますが、トップは内政面でまたコケたオバマ大統領についての記事です。日本では、やや淡々と報道された気配がありますが、鳴り物入りで導入されたオバマケアのウェブサイトが不具合でうまく動かなかったことがそれです。大統領本…

美の進化

The Economist 11月16日号のScience and technologyによれば、人類(に限らず、動物)は、世代を経るごとに「美しく」なるのだそうで。 どういうことかと言うと、ロシアで50年にわたって行われた追跡調査(ただし、対象はキツネ)によって、野生動物を家畜化…

したたかな

11月16日号のFinance and economicsには、懸念される中国の不動産バブル崩壊に関する興味深い記事が出ています。つみあがる債務と売れ残る住宅件数は右肩上がりで、懸念は日増しに高まっているそうですが、当事者の間には一定の自信も窺えるようです。 いわ…

レゴがアジアで伸びてる訳

11月16日号のBusinessでは、シンガポールで人気のbrick4kidsというレゴを使った幼児教育ビジネスの話が出ています。もともとは、デンマークにあった業態のフランチャイズだそうですが、「教育熱心な」アジア市場で成功したと言うのがThe Economistの見方です…

ケースバイケース

11月16日号のBusinessには、Yahooの新しい社長さん(女性です)が信賞必罰式の人事体系を導入したことに対して、Microsoftはチームワークと協力を重視した評価体系(個人のパフォーマンスによるランク付けはしない)を取っていることを比べ、それぞれのあり…

見たままの

ネットでは11月16日号が流れています。Leadersは、といえばフィリピンを襲った台風30号(英語ではTyphoon Haiyanと呼びます)が二番目に来ていて、トップはbriefingでも取り上げられているのですが、世の中ありとあらゆるところに取り付けられるようになって…

欧州に迫るデフレ危機

11月9日号のFinance and economicsでは、直近の経済指標からユーロ加盟各国のインフレ率が近年に比較して低下する傾向にあり(対前年同月比で9月は+1.1%、10月は+0.7%)、このままではデフレに移行することもありうるという懸念が報告されています。アメリ…

ホンネとタテマエ

11月9日号のSchumpeterは、アベノミクスの三本目の矢に含まれる強烈な賃上げ要請と、雇用流動化を望むがゆえにホンネでこれに抗するわけにはゆかない大企業の経営者たちについての観察記事となっています。日本経団連に代表される「財界」の方々も、多くはせ…

中国イノベーション

11月9日号のBusinessには、こんど中国で始まる先進的なユーザー参加型オンライン動画プログラム(英語ではThe Goddess Office)に関するちょっと興味深い話が出ています。インターネットのみで提供されるこの番組は、美人の人気若手女優4人が共同生活をする中…

ドロドロです

11月9日号のAsiaには、来年1月に迫った総選挙を控え、2009年に起こった国軍による反乱で逮捕された被告に対する有罪判決が、不人気な与党を率いる現政権によって政争の具に使われそうなバングラデシュの現状を報告する記事が出ています。 国民には結構優秀な…

中央集権化、が持つリスク

11月9日号のAsiaは、内戦終結後の安定に伴い外資流入が続くスリランカについて、その内政が抱えるちょっとした懸念を紹介しています。 インフラと観光に世界の投資が集まる中、現政権が志向する中央集権化への流れは復興が進む北部を含めて再び内政の不安定…

いずこも同じように

ネットでは11月9日号が流れています。 Leadersのトップは、特集記事の紹介でもあるのですが、今後のイギリスをどうするか、という政策の大きな方向性を問うもので、The Economistお得意のマクロ的な視点での議論を通じて自由化がもたらすであろう便益を説明…

金融機関ブルース

11月2日号のFinance and economicsには、欧米で高まる金融機関へのコンプライアンス順守に関する圧力と、その厳しさについての記事が出ています。その厳しさや反論機会の難しさのためか、満足な反論をせずに示談ですませたり、簡単に課徴金を受け入れる例も…

見えていてもできない

ネットでは11月2日号が流れています。 Leadersのトップ記事は、11月上旬に予定されている中国の共産党中央委員会第三回全体会議に向けて、習近平政権が目指すべき経済改革の方向性に関する論評となっています。 間接的な表現ながら、国営企業の改革立ち遅れ…

遙かなり

10月26日号のScience and technologyには、恒星間宇宙飛行に関する研究の一端が紹介されるとともに、そのあまりにとてつもない規模を前に何らの実現可能性を導き出せない今日の科学のありようと、それでも未来へと目を向ける科学者に対するあたたかい見方に…

事故のその後

10月26日号のBusinessでは、ビル崩落事故の記憶がまだ新しいバングラデシュの繊維産業に関するその後についての記事が出ています。それによると、崩落事故後も火事などによって繊維工場が被災する例は後を絶たないのだが、値上げしても依然として安い賃金や…

息詰まるほどの

10月26日号の特集記事はThe Koreasということで、タイトル通りなら南北朝鮮についての詳報が期待できるところではあるわけですが、北朝鮮の詳しい情報については、さすがのThe Economistにとっても簡単に手に入るものではなかったようで、記事の中身は主に韓…

660万人の憂鬱

10月26日号のAsiaでは、ASEANの小国・ラオスにおける外国人による土地所有問題と、かの国が抱える根源的な悩みについての記事があります。外交的に日本はASEANを重視する、と言ってはいるものの、個別の国が抱える問題のあれこれに注目しようという流れはな…

圧縮と解凍

ネットでは10月26日号の記事が流れています。Leadersは、アメリカ経済と法人税の話、慢性化したユーロ危機と企業債務の話、そしてThe Economistとしては珍しく韓国の話で始まっています(今朝からまだこの3本しか読んでません)。韓国については今週号の特集…

香港の憂鬱

10月19日号のFinance and economicsには、知っていそうで知らない人もいると思われる香港ドルの実像と、香港が直面するインフレ圧力についての読み解きが出ています。 香港ドルは、1983年以来今日にいたるまで、米ドルとの為替レートが固定されていまして、…

期待の星

二日続けてインドネタで恐縮ですが、10月19日号のSchumpeterには、インドの名だたる大企業経営者が、「次の首相」「決めることのできる政治家」として期待するナレンドラ・モディ氏を巡るあれこれについて、なるほどと思える話が載っています。 「ナモ」とあ…

神が退くとき

10月19日号のAsiaには、日本でほぼ全くスルーされているのに東半球全体では大変多くのファンから好かれているスポーツにおいて、神と崇められたスーパースターが引退する件に関する記事が出ています。おそらく日本のメディアは一顧だにしないそのスポーツと…

撃て、シンゾー

10月5日号のLeaders、トップはアメリカの政府機能停止についての記事ですが、三番目に日本の消費税引き上げに関する論評が出ています。批判めいた記述はないので、さしあたり妥当なものと受け止められているようですが、やはり一番言いたいことは、そしてそ…

景気刺激と緊縮と

9月28日号のSchools briefは、先進各国共通の課題ともいえるリーマンショック後の財政再建への見通しについて、厳しい見方を書いています。いわく、景気刺激策としての財政出動に加えて、各国とも税収の低下が財政をさらに悪化させていること、したがって減…