新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

スラムにおける私立学校教育の持つ意味

ネットでは8月1日号が流れています。 Leadersのトップは、ケニア・ナイロビのスラム街で、そして世界の途上国に広がる私立初等教育の事例について。営利事業として行うことの是非についての議論もあるようですが、多くの国で公教育は教職員組合の存在も手…

セカイテキに見ると

7月25日号のFree Exchangeは、先進各国の最低賃金とその上昇が経済にもたらす影響について、研究者の報告を参照する形で分析を試みています。記事には、給与所得者の得ている給与の中央値(平均値だと高額所得者に引っ張られて高くなることを避けたものと思…

銅でもいいじゃないか

7月25日号のFinance and economicsには、進展が期待されるTPP交渉についての論評記事が載っています。日本では主に日米交渉のニュースが中心ですが、The Economistの視点に立つと、少し違う見方があることがわかります。 1)貿易の自由化のみならず、知的財…

子曰く、習成す

7月25日号のChinaには、Confucious says, Xi does (子曰く、習成す)と題した中国共産党の儒教回帰に関する面白い紹介記事があります。それによると、習近平政権は既存秩序の維持や社会の安定を是とした儒教の考え方を特に重要視していて、曲阜という町にあ…

シリコンバレーと日本経済の類似点

ネットでは7月25日号が流れています。 表紙とLeadersのトップを飾るのは、最近向かうところ敵なし、という好調ぶりを見せているアメリカ・シリコンバレーについての記事です。最近ではアメリカのビジネススクール卒業生のうち2割はシリコンバレーに就職する…

貴賤はここにも

7月18日号のScience and technologyには、人の親として読むと意味深な実験の追跡結果に関する記事が出ています。スタンフォード大学の研究者によると、小さな子供相手にマシュマロを盛ったお皿を見せて、決められた時間食べずに我慢できた子にはご褒美をあげ…

異次元の金融緩和がもたらしたもののひとつに

7月18日号のFinance and economicsには、毎年恒例のBig Mac Indexが出ています。世界各国で売られているビッグマックの価格をもとに為替レートを評価する、という一見お遊びめいた企画ではありますが、そのわかりやすさが支持されてかThe Economistにとって…

祝50周年

7月18日号のSpecial reportは、建国50周年を迎えたシンガポールのこれまでと今後についての詳しい記事です。辛口のThe Economistにしては珍しく、複数政党制を頑固に否定し続けるシンガポールの政体についての批判は抑え気味ですが(その多くが、汚職体質と…

どうしてわかりにくいのかというと

The Economist7月11日号のAsiaには、日本の安保法制に関する議論迷走の様子と、対中関係に腐心する安倍政権の方向性について示唆的な話が出ています。 安保法制がどうしてわかりにくいかと言うと、東シナ海・南シナ海を巡って起こりうる中国との衝突について…

たまの話

The Econnomist 7月4日号のObituaryには、和歌山電鉄貴志駅の名物猫だった「たま」の死と、彼女の生い立ちや人生ならぬ猫生についての詳しい記事が出ています。なんでも母親の「ミーコ」が駅の向かいにある雑貨屋のマスコット猫で、お店の方が招き猫だと言っ…

年金制度の闇(と、大学よくやった!という研究の話)

The Economist 6月27日号のButtonwoodには、アメリカの公的年金制度が抱える構造的な欠損の可能性について、大変わかりやすい記事が出ています。 曰く、ボストンカレッジの研究所が発表したレポートによると、公的年金が現在の資産でカバーできる負担責任は…