新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

欧州中銀の、悩み深い立場

6月23日号のFinance and economicsには、金融政策を巡る対応が鈍くなりつつある欧州中銀と、量的緩和政策を続ける米連邦準備制度理事会という二つの大きな中央銀行の対応についてそれぞれ別の記事が出ています。 欧州中銀は、雑駁に言えば経済建て直しが必要…

勝負の流れ

6月23日号のCharlemagneは、欧州危機の今後をドイツ主導の銀行組合結成と地道な努力による信頼の回復に託さざるを得ない現状と、それが物語るドイツ主導のヨーロッパ経済という近未来について示唆的な論評を載せています。今週後半に行われる欧州首脳会議で…

資本逃避は日本を襲うのか

6月23日号のAsiaには、消費税増税問題が焦点となっている日本についての記事が出ています。曰く、消費税を上げるのは良いとして、2014年に政治家から待ったがかかりかねないのはどうしたものか。曰く、再生可能エネルギーなどの成長戦略があまりに貧弱で、経…

キケン、キケン

ネットでは6月23日号が流れています。Leadersのトップはエジプトの大統領選挙についての記事です。以下サウジアラビアの皇太子死去、メキシコの大統領選挙、ユーロ危機、フランス新大統領について、という内容になっておりまして、やや読者コメントの数が伸…

惑星限界、とでも言うのかな

6月16日号のScience and technologyは、現在ブラジルで国連環境サミット"Rio+20"が開かれていることもあり、地球環境に関する興味深い話題を提供してくれています。元々は不調に終わったコペンハーゲンでの地球温暖化対策会議で提案された考え方だそうですが…

世界は日本を追う

6月16日号のButtonwoodは、年金制度の将来について、どこかで読んだような記事が出ています。すなわち、支払いが滞り年金会計が厳しくなっている、若者は思ったほどの便益を受けない、人々は長く働かなくてはいけなくなる、と言ったお話で、一寸前の日本の公…

ものづくり、それとも?

6月16日号のSchumpeterは、日本の自動車産業を取り上げて、技術屋さんたちが示すモノづくりへの高度な執念を「行き過ぎ」ではないかと、それよりも消費者が欲しがるモノを提供するマーケティングに資源を振り向けるべきでは、という意見を示しています。興味…

溶けてしまえば

6月16日号の特集記事は北極の氷が溶けること、についてです。 震災以降ぐっと少なくなったかもしれませんが、地球温暖化、もしくは気候変動については日本でもそこそこ話題になっている(いた)わけですが、特に今週ブラジルで「リオ+20」と呼ばれる環境サ…

靴を隔てて

6月16日号のLeadersそしてEuropeには、スペインにも飛び火したヨーロッパ財政危機問題と、それに対応するユーロ圏の現状を伝える興味深い記事が出ています。長い記事を圧縮するとその大筋は、ギリシャやアイルランド、ポルトガルに比べればまだスペインには…

止まらない地球温暖化

6月16日号がネットで流れています。最近は、日曜日に配達される印刷版をほとんど読まなくなりました。そのうち、The Economistだけでなく他の出版物も紙では配達されなくなるのだろうと思います。さて、Leadersですが、トップは地球温暖化に伴って北極海の氷…

ご神託

6月9日号のButtonwoodsは、ファイナンシャルアドバイザーなるものの、当たらないにもかかわらず根強い需要に関する分析です。曰く、御神託並みに後からの後悔を防ぐためのよるべとなっているところもある(?)とのお話。なんだか一寸やるせない話ではありま…

才能ある外国人の確保

6月9日号のBusinessには、起業家にとってビザの確保がどの程度易しいか・難しいかについての一寸面白い記事があります。外国人で、しかも有望なマーケットで起業しようとした場合、会社を作るのはえらく簡単なアメリカですが、残念ながらビザが大変厳しいと…

あら、そう、良かったね

6月9日号のBanyanは、日本を襲う産業空洞化の先行きについて、The Economistならではの分析的な論評をしてくれています。 果てしなく続く円高、エネルギー問題、進まない自由貿易交渉、人口減少と高齢化、その他様々な理由で産業競争力が低下している日本で…

欧州発、世界経済減速へ

ネットでは6月9日号が流れています。Leadersのトップは、懸念される欧州発世界不況の現実味が増してきたこと、そして欧州がどう対応するのか、その帰趨は一にかかってドイツのメルケル首相が緊縮策一辺倒の政策を転換するかどうかにある、という解説記事でし…

フラッキング、大丈夫?

6月2日号のAsiaで取り上げられているオーストラリアの天然ガス採掘に関する記事はちょっと目を引きます。地下の炭層に溜まっているガスを回収するため、水を噴射するフラッキングという技術を使っているそうなのですが、アメリカやカナダのシェールガス採掘…

オバマ大統領は経済音痴か?

6月2日号のLexingtonは、アメリカ大統領選の争点の一つとなっている「階級闘争」議論に焦点が当たっています。すなわち、経済成長よりも雇用の増大を目指そうとするオバマ大統領が、共和党のロムニー候補が投資ファンドを率いていたことを批判材料とする(カ…

アメリカの、景気回復と政治

6月2日号、United Statesのトップ記事はアメリカ経済の回復と大統領選挙の展望を各州ごとに数字を比べながら解説しています。結論はと言えば、オバマ大統領の経済政策で景気回復に多少なりとも寄与したと言えるのはミシガン州の自動車産業救済策くらいで(だ…

ロボットは悩むのか

6月2日号のLeadersです。最初の記事は、さまざまな場面で実用化が進むロボット、もしくは自動運転装置などを備えた交通機関などに搭載された自律的な判断機構について。二律背反的な「ルール」をどのように処理して、どのように判断するのか。人間が自身の役…