新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ためにする騒ぎ

5月28日号のUnited Statesは、ヒラリー・クリントン女史が国務長官時代に公用メールを個人アカウントでやりとりしていた問題を巡る新しい動きについて伝えています。 それによると国務省の内部調査機関による報告書が、違法性については指摘しなかったものの…

心は動かない

5月28日号のBanyanには、中国との関係が微妙に変化しだしている台湾そして香港についての論評が出ています。 台湾では民主的な選挙により、親中派の国民党政権にかわって独立志向の強い民進党政権が誕生したわけですが、これを巡る中国の反応は露骨な外交的…

保全され続ける核の脅威

ネットでは5月28日号が流れています。 Leadersのトップは北朝鮮の核問題についての分析記事です。アメリカが北朝鮮よりイランを先に取り上げたのは、石油・天然ガスという交渉の糸口があったからで、それを持たない北朝鮮はより扱いにくい相手であるというの…

経済政策と景気の寿命

景気には寿命があるか?という、日本の経済メディアではあまり聞いたことがない話題に注目したのがThe Economist5月21日号のFree exchangeです。 まあ確かに、神武景気だとか岩戸景気だとか、継続する景気拡大はある程度長期間に渡って継続したので、一定期…

気候変動をめぐる株主の動き

The Economist 5月21日号のBusinessは、そのトップ記事で石油・天然ガス資源の開発会社(いわゆるオイルメジャーなどです)に対する株主の動きの中で、地球温暖化対策など環境に関わる要求が高まっていることについての記事が出ています。 機関投資家の中に…

情勢は変わりつつ?

5月21日号のThe Economist誌、および同誌のウェブサイトでアメリカ大統領選挙に関わる最新の情報をチェックしてみると、非常に興味深い話が浮かび上がります。 民主党の大統領候補選びにおいて絶対的な優位を言われるヒラリー・クリントン女史について、数字…

日本に来る前に

5月21日号のAsiaでは、G7サミットに始まる訪日を前に、今日からベトナムを訪問するアメリカ・オバマ大統領と、大統領の訪問がベトナムにもたらす変化への期待が報じられています。 曰く、ベトナムは貿易面でTPPにより最も恩恵を受ける国であろうこと、ただし…

5月21日号のLeardersには、任期が近づく潘基文国連事務総長の後任を巡る論評が出ています。内部統制や大国との関係においてあまり評判が良くないと言われた潘基文氏ですが、組織改革によるUN Womenの設立や、Sustainable Development Goalの導入に実績を残し…

波で測る

5月14日号のScience and technologiesでは、地球温暖化によって溶け出す氷の量を計測するための新しい方法について、このほど科学誌に発表された仮説の紹介記事が出ています。それによると、これまでは航空機からレーザーで計測するという、正確だが高価な方…

Uberが示す経済原則と、業態進化の可能性

Uberというサービスを聞いたことがありますか?スマホのアプリで位置情報を知らせると、近くにいるUber登録ドライバーが来てくれて、目的地まで載せてくれてクレジットカードで支払いするという、言ってみればタクシーの進化系みたいなサービスです。ドライ…

世界で最も金持ちが多い国は

5月14日号のFinance and economicsには、所得分配の公平性をあらわすジニ係数について、高い水準にあった(格差や不平等が大きいという意味)中国の数値が改善する動きにあるという報告が出てきます。引用されている現在の数字は0.5くらいだそうで、依然とし…

子供の貧困

5月14日号のAsiaには、右肩上がりに増加する日本の子供の貧困に関する報告記事が出ています。2012年の統計ではその比率が16%を超え、日本のメディアでも取り上げられたことはよく知られていると思います。今になってThe Economistが取り上げることの意味は…

ビットコインの発明者

最近ニュースでビットコインの発明者が名乗り出た、というのがありましたが、5月7日号のFinance and economicsにその詳しい話が出ていました。 サトシ・ナカモト氏-関係者とは電子的な連絡しか取らず、決して顔を見せずに仕事を続け、ビットコインの開発が…

中国経済の行く末

5月7日号のSpecial reportは、金融機関の現状から中国経済の今後を読み解こうとする試みです。中国経済は総括していえば予想通りの成長軌道を描けず、債務や設備などの過剰に苦しむという、20年前の日本経済に近いところまで来ているということなのですが、…

サンダースが残すもの

5月7日号のLexingtonは、アメリカ大統領選挙に向けた候補者選びがまだ終了していない民主党において、逆転勝利の可能性はほぼなくなったと言われるバーニー・サンダース上院議員の置かれた立場と彼の目指した政治が今後どのように影響するか、について興味深…

トランプの言うことがアメリカの政策となる日

5月7日号の表紙とLeadersのトップ記事は、アメリカ大統領選挙で共和党の候補となることが事実上決まったドナルド・トランプ氏がアメリカそして共和党にもたらす災厄について、比較的断定した言い方で憂慮を伝えています。 曰く、多少の妥協はあっても政治的…

北朝鮮が狙うもの

4月31日号のBanyanは、35年ぶりに開催が予定されている北朝鮮労働党大会にまつわる分析を紹介しています。過去の経緯は端折って、現在のキム・ジョンウン政権が目指すものをどうとらえているかというと、The Economistは「核開発と経済改革の両立」なのだと…