新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

教条的なまでの自由貿易信奉

編集長が代わってしばらくたつThe Economistですが、「自由貿易の信奉者」というこれまでの編集方針がさらに色濃く記事を飾るようになってきたような気がします。4月14日号のLeadersですが、フランス大統領選挙におけるサルコジ候補への支持(自由貿易推進にベスト)、アメリカが中国に抜かれる日(抜かれないように規制するより、抜かれても自由貿易のうまみを。かつて「抜かれた」国のメディアらしく、トップであることに関して淡々とした記述)、テロリストの避難先となっている地域に対するパキスタン政府の対応への批判、天然ガス供給体制への不安と売り手の交渉力への対抗策について、ブラジル新政権の低い経済成長目標への不満、というような内容です。


一見すると多岐にわたる話題ですが、その大部分についてThe Economistが価値判断の拠り所としているのはシンプルにも「自由貿易の堅持と推進」です。中国に負けて、二番でもいいじゃないか自由貿易が拡大すれば、とアメリカに言えるだけの信念を持ったメディアが世の中にどれだけあるか、と考えると物言うメディアとしてのThe Economistの性格がわかると思います。

Briefingは仏大統領選挙の詳報、そのあとの地域記事は天然ガスに関する問題が重要と判断したのか、いつぞやに続いてEuropeが先に来ていてAsiaが一番後、という編集になっています。