新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

おカネに関するあれこれ

4月21日号はFinance and economicsのページで、日本ではなかなかお目にかかれない類の記事をいろいろと載せています。商品先物等を織り込んだETFというファンドがアメリカ投資信託市場の3割以上を占めるようになってきていること。そのリスクの大きさは予てから批判の対象となっているようですが、機関投資家を中心とした勢力が、ある意味で透明性の高い運用に好意的で市場規模が拡大しているようです。そのうちに伝統的なミューチュアルファンド(株や債権を組み合わせて運用する)に匹敵する規模にもなりかねない、との警戒感もにじみ出ています。

また、学生向けローンの最大手、サリー・メイが自社の資産を担保とするLBOに会いそうになって、あやうく危機を回避したこと。日本でリテールローンの会社がLBOに遭うか?と考えると、その距離感が判ります(尤も、アメリカでも規制や既存融資等の管理の難しさ等から、良質なプロファイルと顧客を抱える同社ならではの、極めて特殊な例だったようですが)。

また、メキシコが外貨獲得のため出稼ぎ労働者等からの送金について規制緩和を検討していることなどが報じられています。Economic focusは、女性の社会進出が経済に及ぼす影響について。それによると先進国で日本とスペイン、イタリアが女性進出の度合いが低い国にあたるようで、仮にEUで米国と同水準の就業環境が実現できて女性が働き出すと、GDPは7%上昇する、と言う試算があるそうです。日本がここにチャンスを見出す日も、そう遠くないことを願っているのですが、障壁は意外と根深いのではないでしょうか?

Science and technologyは核融合、高血圧対策、進化と脳の構造(人間の脳は構造的に下等動物のそれに良く似ている、という話)、ニワトリがストレスによる影響を遺伝的に子孫へ伝えているらしいこと(人間に同様のことが起こる可能性は・・?ここでは議論されていませんが。)など。

Obituaryはドイツの小説家、クルト・ヴォンネグトの逝去を伝えています。