新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

穴の使い方

6月9日号のTechnology quarterlyで面白かったのは、NOTESという新しい手術方法についての紹介でした。これは体表面の穴を使って(たとえば口)、そこから手術用具を体内に送り込み、中で切り開いて手術をし(たとえば胃の中を切る)、除去した患部はそこから対外へ取り出すという方法です。技術さえ伴えば、肛門や膣もつかえることになりますね。胃壁は痛点の分布が体表ほど密ではないので、手術した翌日から仕事に出ることもできるようになるでしょうし、術後感染の脅威が格段に減るのがメリットだそうです。反面、手術の部位が見えないので、検査機器による患部の特定や光学スコープによる部位の確認等、技術面での負荷は大きくなるようですが、このあたりの技術開発が進んだからこそ可能になった方法、ということもできるでしょう。そのうち胃がんの手術も日帰りになって、医療保険の適用はますます難しくなるのかもしれませんね。今まで払った保険金は何だったんだ!ということになるのかも。入院保障を見直すなら今のうち?

あとはリサイクル技術に関する詳報があって、日本はガラスのリサイクルで世界一、紙のリサイクルでドイツと僅差の二位だそうです。分別は進んでますからね。たまにリサイクルの実効性に関する議論や批判を耳にすることもありますが、The Economistによるとさまざまなリサイクルビジネスの8割以上が理に適ったものだという調査があるようです。で、技術面で何が期待できるかというと、分別せずに収集して、一次処分の段階で自動選別をする、というような技術のようですが、これらはすでに日本で実用化されているものばかり、という気がします。

技術ネタが尽きたのか、最後はゴミまで輸入して資源化している中国への皮肉がページを埋めていました。使えなかったものは穴を掘って埋める?みたいな。