新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

聞くThe Economist

7月14日号のOn Economist.comによると、ついにThe Economist全テキストのポッドキャスティングが始まったようです。全部聞くのに6〜7時間、と言いますから私にとっては読むより速いです。ちなみに私は月〜金の通勤電車、都合10時間かけて一冊を通読しています。特集記事が長い週だと週末に持ち越すこともしばしばです。私の問題は現在i-Podを持っていないこと、ですかね。でも価値あるサービスなので是非入手したいと思います。電気屋に行ける時間がないので、楽天かアマゾンで。。。

さて、記事ですが、まずBriefingはアルカイダの全世界的な広がりについて。確かに彼らのネットワークは広がっているのでしょうが、多少決め付け的な書き方に、何となくですが政治的な匂いを感じます。Asiaのページにあるパキスタンのムシャラフ政権に対する分析も少し似たところがあって、民主主義を声高に叫ぶ汚職政治家と、これだけの国難をそれでも何とか舵取りしている軍人出身の大統領を同列に議論することこそおかしいのでは、と思ったりします。

日本の捕鯨についての分析も、それは国家的伝統でなどなく、戦後の食料難に普及した新しい文化、という指摘に加え、水銀含有量が高い内臓は食されるべきではない、とのもっともらしい話が出てきます。で、何が言いたいの?と言う目で見ると「だから鯨は食べるべきでない」との結論が自動的に導かれるような書き方になっていて。新しい文化だから固有の文化ではない、という議論も文化の否定であることに変わりはないのでは?衛生面の管理については食べる人が一番神経を使う話、すなわち「大きなお世話」です。

面白かったのはUnited Statesの、イラク撤兵と気候変動に関する議会の対応ですね。あのアメリカがイラク撤兵をほぼ既定路線のように議論し、温暖化対策を何とか実現しようとしている。4年前には考えられなかった変化、だと言えますが、イラク攻撃を是認したThe Economistの書き方もこの4年で大きく変わりました。特にブレア氏が首相を辞任してからは、何かすっきりと懸念材料が払拭されたかのような論調が見えたりします。このあいだ、何て言ってたんだっけ?

Lexingtonではゴンザレス司法長官へのとてつもなく低い評価について。それまでの最悪はジャネット・リノ元長官だったそうですが、記録更新。

可哀想なのはコロンビアのウリベ大統領で、一生懸命アメリカの言うことを聞いて左翼ゲリラ撲滅に力を入れたところ、ゲリラがヨーロッパ人を含む人質を殺したことからヨーロッパ各国から非難を浴び、これに影響された民主党主体の米議会から自由貿易協定に待ったがかけられた、と言う話。大統領は「コロンビアはアメリカの僕のように扱われることを許せない」と言ったそうですが、なるほど、と思える話です。

混迷の続くイラク、驚異的なインフレが民生を圧迫するジンバブエ。そこにさらっとコモロ出身のアルカイダ幹部についての話が挿入されているのですが、何だかちょっとバランスが。。

イエス・ノーを吟味しながら記事を眺めるのはただ流し読みするのに比べて2倍くらい疲れます。やっぱ早いとこi-Podを買って聞くほうが読むより楽かな、と思ってしまいます。

なんか、今日は一寸反米でした。