新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

イスラエル建国60周年、またはぶれない軸について

4月5日号です。Leadersはアメリカを襲う財政危機(表紙は壊れた貯金箱)、ジンバブエ大統領選、イタリア総選挙、世俗主義とイスラム系与党の緊張が高まるトルコ、六カ国協議の停滞と北朝鮮への名指しの非難、建国60周年のイスラエルなど。

最初のBriefingはドイツでディアスポラとして暮らすトルコ系移民の現状を詳しく伝えています。

Asiaは南北朝鮮対立、暫定税率廃止により日本の道路族(または福田政権)を訪れる危機、中国で漢族に高まるナショナリズム、ネパールのチベット難民、アフガンとNATO、パキスタン新政府について。United Statesは財政危機、大統領選などについて、Lexingtonは行き詰まる民主党大統領候補選びの状況を伝えています。

いつも思うことですが、よくぞこれだけ広い目で世界を見られるものだ、と感心するばかりです。やはり「この星をどうしたいのか」といった視点での問題意識が醸成されていなければできないことだと思うのです。しかも「軸」がぶれていない。いったい日本にそれだけの意識がどの程度育っているものなのかという点については、はなはだ心もとない限りです。

チベットをどう思いますか?北京オリンピックをどうしたら良いと思いますか?それはなぜですか?日本のメディアでも二つ目の問いまでは目にすることがあったとしても(ちなみに結論はいつも全方位的)、第三の問いを発する勇気を持ったメディアがどれだけあるか。それはすなわち自らの意識の程度を露呈させる質問なわけで、答えたとたんに白けることが明々白々ですからね。