新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

帝国の逆襲

8月23日号の中盤あたりです。

個人的に一番目についたのは、中身のなさ、魅力(栄養?)の乏しさから「キャベツ」と揶揄されたというザンビアの故ムワナワサ大統領が、それでも民主化プロセスと政治の透明性確保という観点から言えば、隣国ジンバブエとは比べ物にならないくらい良い大統領であった、という記事ですかね。で、アフリカの前進には「もっとキャベツが必要だ」という話。全体のトーンは見事に醒めているのですが、それだけジンバブエがおかしくなっている、ということのように思われます(比較するとよく見えるザンビアも、絶対値で測れば驚くほどではない、という意味?)。

http://www.economist.com/world/mideast-africa/displaystory.cfm?story_id=11968403

で、Europeを通覧して感じるのは南オセチア問題に端を発した一連のロシアの行動でありまして、今週のEuropeはさまざまな角度からこの問題を論じているといっても過言ではないでしょう。端的に言うと、それはソ連復活をすら想像させるロシアへの不信と疑念の羅列なのですが、確かに今回ロシアが取った行動は西欧から見れば力の論理以外の何物でもなかったといえると思います。そのなかで、ミサイル防衛網構想をめぐるアメリカとの綱引きも新しい展開がおとずれそうで、仮想的としてのイラン、という文脈が少し変わってくる可能性も匂っています。

http://www.economist.com/world/europe/displaystory.cfm?story_id=11986002

現在のところ西欧とロシアによる平和的解決は、すぐ後ろに控える「力」を背景としたものでしかありえない、という現実を踏まえた分析と言えますね。