新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ナノ、発売

3月28日号のウェブ版をざっと眺めてみたのですが、インドでついに2000ドルの車(タタ ナノ)が発売されたというニュースは目を引きました。昨年、地域住民の反対により西ベンガル州での生産をあきらめたタタ自動車ですが、その後グジャラート州で生産拠点を確保、今回の発売は新工場の建設途上ながら、既存工場を活用した年間5万台の生産によるものだそうです。期待の大きさに対してあまりにもちいさな供給が、市場の不満をかきたてなければ良いのですが、いずれにせよ頭初の販売は「くじ引き・前金」という、圧倒的な売り手市場で開始されるようです。

考えてみれば、日本から激安の廃車寸前の(それでも走る)車を持って行っても輸送費と関税でナノには太刀打ちできないかもしれませんね。それまで最安値だったスズキマルチの半値だそうですが、それくらい2000ドルという価格設定はインパクトがあります。

インフラや、肝心のガソリン価格など数多くの不安要素はありますが、低所得者層にとって夢と自由の象徴としての車(しかも新車)が持つ意味は小さくないものと思います。経済そのものもそうですが、もっと目に見えない部分でインドの変化を加速する出来事なのかもしれないと思って注目しています。