新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アメリカ人の内と外

3月28日号が配本されてきました。
とりあえず目次とLeadersだけ目を通して、あとウェブ版をちょっとチェックしました。

トップはうつむくオバマ大統領の写真と「困難な道を知る」(Learning the hard way)というタイトルが物語るとおり、なかなか上手く動きださないオバマ新政権の問題点についての分析でした。元来、組織を動かすことについてはほとんど経験のないオバマ大統領と、自らの信条に(もしかすると)必ずしも合致しない古典的市場経済の救済などが、アメリカの政策決定とオバマ大統領のリーダーシップをいささか見えにくいものにしてしまっている、と言う現状は確かに存在します。

行政のミドルまで行き渡る政治任用の仕組みですが、民主党はこれまでの与党である共和党政権時のキーパーソンを外して顔ぶれを刷新させたいのでしょうが、オバマ大統領が提出した行政スタッフの刷新提案は結構な確率で話がとん挫しているのだとか。

その他、G20による国際決済用為替の防衛について。それぞれの国の事情によりGtoGの政策支援だけではもはや不十分と言う記事、アメリカの銀行救済とガイトナー氏の政策に関する批判、アフガンにおける長期駐留とサバイバル資源の不足と言う記事が出たことなど。昨日コメントしたNanoに関する発売報道も、むしろ好意的な意見を軸にまとめています(なんたって一台2000ドルするかどうか!)。

Leadersの論調としては、国際経済への根深い関与を軸とした議論ばかりなのですが、ひとたびコメントのページをひらくと国内問題への関与について是非を議論するコメントが多く、日曜日段階で200通を超えるファンレターが著者を待っていました。実際の話、途上国支援やその他外交については、メディケアをどのように発展させ、均等配分をどのように保障してくれるのか等の議論が戦わされていました。

「衣食足りて礼節を知る」ではありませんが、あるべき論が幅を利かせた好況時の話ばかりではなく、いかに損失を最小としたまま撤退するかなど、興味深い議論が期待できますね。明日以降の議論がちょっと楽しみです。