新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

貸したり、借りたり。

6月13日号のLeadersを読んでて思ったこと。

まずひとつ、アマゾン流域を中心とした熱帯雨林の伐採とCO2排出の関係について。木を切る→CO2が大気中に出る、といってもそのCO2は増えたわけではなく、もともと木の中に蓄えてあったわけで。純増分との微妙な差がここにはありますね。要は大気というCO2の受け手(借り手)にばかり集中していることが問題視されているのだろうと思うのですが、だったら他に移せばよいのでは?という議論はコスト的に噛み合わないということで、なかなか前面に出てきません。

つぎにアメリカの商業銀行が、景気底打ちと同時に公的資金の返済を急ごうとしているハナシについて。それだけ聞けばまことに結構なハナシ、かと思いきや「銀行は何も学んでいない」「苦しいときだけ公的資金を使い、バランスシートを良くしたと思ったら即返済か!」という具合に結構な批判が読者コメントを賑わしています。

苦しいときでもそうでないときでも、しっかりとお金の貸し借りを仕切れるようなモラルと体力のある銀行にこそなって欲しいと言うことなんでしょうけど。

CO2は超長期のハナシ。金融はそれに比べれば短期のハナシですが、どちらも貸したり、借りたりすることによるバランスが上手く取れないと言う問題への対応について、誰がコストをどのようにかけて対応するか、という議論ですよね。往々にして、「問題」というのは貸し借りについて起きているようで。。。いささかこじつけ、かな?