新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

アラブをどう見るか

7月25日号です。
ざっと見渡して、衆院選前なのに日本の政治経済に関する記事はほぼゼロで、Face valueのページにTOTOの社長さんの記事が出てたくらいです。というわけで、今週はイギリス人になったつもり(?)で編集のキーワードになっているアラブのことを思い浮かべながら読み進めてゆこうと思います。Leadersのトップでは、アラブ社会に深く潜行する改革の動きについて。女性の扱いや政教分離の否定など、なにかというと前近代性の象徴のように言われるアラブ社会の特徴についても、やはり時代とともに少しずつ変化しつつあることは海外に出ていても感じることがあります。その歩みがいかにも遅い、と言う部分もありますが、相対的にアラブ社会の規律性や寛容さに対する理解が西欧社会側にも伝わりつつあると言う要素も無視しがたいように思います。

アジアの西と東という位置や、これまで歴史上直接対立の関係になったことがないなど、どうしても日本との係わり合いは薄くなりがちなところがあるのですが、その倫理性や外交力などを勘案すると、国連での立ち位置も含めて、日本の味方につけるべきはサブサハラ諸国もそうですが、まずイスラム諸国ではないかと思っています。

戦後関係が本格化してから、アラブとは石油を巡る話ばかりが目立ってしまい、結果として役人および石油会社主導の歪な関係しか持てなかった点は残念ですが、「世界の中の日本」を考える上でのパートナーとして、政治的なハンディをさほど感じずにすむ強力な相手であることは間違いない事実でしょうから、もう少しそういう視点でおつきあいできればと感じています。