新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

見かけほど悪くない

8月1日号、Middle East and Africaのトップは「見かけほど悲観的ではない」とのタイトルで、中東和平問題の直近事情を詳報しています。たしかに、二国(イスラエルとパレスチナ)の存在を認め合う方向について、双方の強硬派がこれまでの峻絶から多少なりとも理解を示す物言いへと変わってきている様子は興味深いものです。さらに次の記事ではハマスのリーダーがイスラエルの存在を認める発言をしつつあることに、北アイルランドシン・フェイン党の例を引いて、妥協しない中にも和平を模索するやり方を求めようとしているらしい点を評価する論調で書かれています。

今から10年以上前になると思いますが、The Economistにとって、もっとも近く、かつもっとも大きな頭痛の種だったのが北アイルランド問題だったと思います。記事を読んでいても、その痛みに関する記述や何とか解決策を探れないかとの深い議論には「英国主権の下での議論は、やはり他国の扱いとは違う」と感じさせられたものでした。その北アイルランド問題が、帰属に関する結論は依然として出ていないものの、ほぼ恒久的な停戦状態になってからしばらく経ちます。

国連でもJICAでも良いんですが、たとえば北アイルランド問題の当事者OBに呼びかけて、双方の知見をイスラエルやパレスチナと共有するような国際協力プログラムが組めませんかね。先達による技術協力ということになりますが、悪い話ではないように思えます。ま、効果のほどはわかりませんが。