新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ビジネスのネタとは

10月31日号のBusinessですが、これまでのFace Valueという経営者紹介のページから、Schumpeterという学者の名前を取った評論に内容が置き換わっています。そのページがFish out of waterというタイトルで、不況対策・失業対策に政治主導の対応として企業家精神、イノベーション、ベンチャーキャピタルの三大話が政治家のお気に入りだ、と言う分析を載せています。ただし、政治の介入が強すぎて特に外人投資家の動きを妨げるようだと、どの国も良いパフォーマンスを上げていない、との分析もあります(ベンチャーキャピタルについて外国勢を規制した日本は、現在先進国で最も弱いベンチャーキャピタル市場しか持てない状態となった、とは辛口ながら的を得た判断だと思います)。

失業対策・雇用対策の即効性を求めるなら、確かに説得力のある三大話かもしれませんが、世の中の起業家は、失業対策のために事業をやっているわけではありません。政治が抱く、希望や期待ということなら判らなくもないのですが、所詮はプロの世界なので、希望や期待が介入や規制に変化するとき、その市場は魅力を失い始めると言うことなのかな、と思います。だからといって、すぐに外国勢の活躍を受け入れられるだけの準備が日本の市場にあるかといわれると、それもまた悩ましい話ではないかと思います。政治家精神、イノセンス、パブリックキャピタル(税金)あたりが三大話としてにつかわしい、と言われないように現政権の奮起を期待したいと思います。