新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

混乱の終わりと、不安のはじまり

12月19日号がネットで流れています。
Leadersのトップは世界経済危機の現状について。9月のピッツバーグ合意以降、G20各国の緊急経済対策(特にアメリカと、中国が注目されていますが)のおかげで、どうにか一息ついた感のある国際経済ですが、その実は依然として脆弱な個人消費と企業の設備投資、悪化する一方の国別経常収支、足腰の立たない金融機関という、内患が山積する状態のまま、という惨状です。

自民党時代も晩年の日本で、なんだか毎年のように緊急経済対策をやっていたことを思い出していただけると皮膚感がもちやすいと思うのですが、先進国では成長へのアクセルがかかって行きにくい状態のまま、時間だけが過ぎる危険性に、世界経済は直面しているということですね。

なんだか新年を控えて、あまりおめでたくない話に聞こえますが、世界はいま、「失われた10年」への入り口に立っているのかもしれません。吾唯足知、でしたっけ、の精神で縮小均衡を目指すのか(環境的には悪くないと思います)、イノベーションの連続でふたたび成長軌道へと戻ることを目指すのか。「経験者」として日本の英知が問われるところかと思います。