新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

まがいもんかよ

2月27日号です。United Statesは、内政外交とも込み入った個別の話題が目白押しなのですが、Lexingtonは多少俯瞰的にオバマ政権の外交姿勢と政権の本質について踏み込んだ論評をしています。いわく、前任者と違ったソフトな印象とは異なり、アフガニスタンでの爆撃指令やそれに伴うテロリストおよび民間人の殺傷については前任者を凌ぐ規模で行われていること、さらにグアンタナモ捕虜収容所を予定通り廃止しなかったこと、テロリストを裁くために民間法廷ではなく軍法会議を活用することなど、その対応は意外と強硬派的だったりするのはなぜか、という議論です。

片や政治レベルでの発言や外交姿勢そのものは、どちらかというと柔らかい印象を与え続けているのですが、この点が保守派からすれば弱いとみられたり、腹が据わっていないとされる原因なのかもしれません。特にイランの核開発を巡っては、堅い決意よりも善悪を越えた政策の絶妙のバランスがカギになる、というのが結論のようですが、読者コメントには堅い決意なしに何も出来るわけはないだろう、という強烈な反論もありました。

トヨタの社長さんがいみじくも示したように、リーダーシップのよりどころは堅い決意そのもの、そしてそれを裏付ける使命感ではないかと思うのですが、オバマさん、その決意はまさかまがいものではないですよね?