新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

ボタンの掛け違い

2月27日号のAsiaでもう一つ気になった記事がアフガニスタンの現状についてのレポートです。いわく、カルザイ大統領の目に余る専横とオランダを中心とするNATO軍諸国に広がる厭戦の気配は相当深刻だということなのですが、堂々と監視団に逆らい、堂々と汚職を進めるカルザイ大統領に「お墨付き」を与えたところ、与えざるを得なかったところからしてボタンの掛け違いだったということなのでしょう。

オバマ大統領は民主党予備選挙の段階から(アメリカが本腰を入れるべきは介入の正当化できない)「イラクではない、アフガンだ」と繰り返し言っていましたが、それから2年余り、予言は違う意味で図らずも実現してしまったというところでしょう。だったらブッシュ政権が手当たり次第に見つけてきたカルザイ大統領を有難くも押しいただき続ける意味はどこにあるのか、と言いたくなります。当初から、カルザイ大統領で良いと思っていたということなのでしょうか。アフガンの人もバカじゃない、汚職と腐敗にまみれた大統領よりも、宗教と戒律をかかげるタリバンのほうがまだまし、と思ったとしても間違いとは言えないのではないでしょうか。歴史的にロシアを頼るわけにはゆかず、パキスタンでは脆弱な基盤しか持たない民主勢力を尊重することでムシャラフ軍事政権を見捨て、いままたNATOにすらそっぽを向かれようとしているアメリカは、アフガニスタンと言う将棋でどうしようもない下手を打っているように見えます。この先、どんな妙手がありうるのか?誰かわかったら教えてください。