新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

当たり前のことを、当たり前に

Web版では4月10日号が流れています。

早速Leadersですが、今週は近づく英国総選挙の影響もあってか、それ以外はやや平板な記事が目立ちます。言ってみれば当たり前シリーズです。まずは英国総選挙について。野党保守党の優位が伝えられる中、第三局としての自由民主党や、これまでの経済運営のツケを負う形となった労働党は何が悪いのかと言う分析など、今週の特集記事は盛りだくさんの内容です。Leadersはその抄訳というか映画の予告編といった位置づけなのですが、二大政党政治がどのように上手く行き、どのようにそうでないのか、モデルを分析する意味において日本には大変役に立つ記事ではないかと思います。時間があればぜひじっくりと読んでみたいのですが、生憎週末から出張です。ここしばらく頻繁に更新できたブログもまた少し合間が空いてしまいそうです。

その他、ドルと人民元の為替相場について、日本の公的債務問題について、スーダン南部の分離独立について、著作権の期間延長について、といった内容です。日本の公的債務については、「旧勢力が改革による経済の落ち込みを恐れている」「現状維持の打破と早急な改革を」という、手垢で真っ黒という感じの分析と結論ですが、本当のポイントはといえば、政権が問題解決に全力で当たる→なりふり構わず対策を採る→公的債務は膨らむが、とりあえず目先だけはごまかせる→見かけ上、平和で反映した社会が続く→改革は一層難しくなる、という悪循環が続いていることにより、当たり前のことを当たり前にやることがいかに難しくなっているかということではないでしょうか。むしろ日本の難しさはそこにあるような気がします。