新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

北朝鮮をどう読むか

5月29日号のLeadersそしてBriefingと、もうひとつAsiaにも、韓国海軍の哨戒艇「天安」沈没事件に絡み、そして金正日政権のゆらぎにも絡めて、北朝鮮関係の記事がでています。三本あれば、何か新しい情報もあるのかな、と思って目を通しましたが、北朝鮮に関する情報はある意味で日本のメディアのほうが得意とする分野らしく、特段の新しい情報はありませんでした。強いて言えば中朝国境では観光客相手に双眼鏡のレンタル商売が流行っている(さすが中国)という話くらいでしょうか。

本質的なことで目に付いたのは、統計上の話ですが北朝鮮の国内総生産は韓国のわずが5%にも満たず、この二カ国が統一されたとして、東西ドイツの差よりはるかに大きな経済的負担が(当然韓国に)発生する、と言う点です。ここから類推される話として、金正日が死のうが息子が跡を継ごうが、そのタイミングでの国家崩壊や統一はなかなか実現しにくいんじゃないかということですね。どんなしょうもない国家になろうとも、どんなしょうもないトップが現れようとも、とりあえず経済的には封じ込めをしておくのが正解とは、なんと情けない話かと思いますが。