新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

仕分けバリエーション

8月28日号のUnited States、トップ記事は進まない雇用対策についてでした。リーマンショック後の景気対策などで財政状態が大きく悪化、思い切った公共投資などが出来にくいアメリカにおいて、斜陽となっている労働集約型の産業から、比較的雇用吸収力の高いサービス業や医療保険分野へ雇用を移せるかと言われても、長年職人仕事をしてきた労働者にとって、新しい分野に適応することは大変難しい、と言う話です。

日本で80年代末位から円高により企業の海外立地が進み、製造業の城下町だった地方都市が経験した「産業構造の転換」を彷彿とさせる話です。雇用の確保を最大の政治課題とする有権者はこれまで共和党支持だった地域でも民主党への期待が高まりつつあるのだとか。

で、対抗策の一つだと思うのですが、共和党が始めたキャンペーンに「ユーチューブ」ならぬ「ユーカット」というウェブサイトがあるそうで、そこには国の予算に関する情報がずらりと並んでいて、サイトを訪れた人が仕分けよろしく予算不要と思われる事業を選択できるのだそうで、毎週上位にランクされた事業のリストが表示されるのだとか。

「ユーカット」、いいですね。そもそも日本の事業仕分けにしたって、すべての事業が取り上げられているわけではないですし、事業仕分けにかからない事業にしたところで、国民目線からみれば不要とされるものは少なくないのでは?と思ってしまいます。

仕分けの提案方法も、国が違えばやり方もちがう、と言うことかと思いますが、たとえば自民党にはこれくらい思い切った差別化提案をぶつけてほしいものだと思うのですが。