新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

民主党代表選報道に見る日本への関心度

9月11日号のAsiaには、民主党代表選に関する型どおりの報道〜小沢一郎氏を軸にした〜が載っていまして、読者コメントにもあるのですが、ホント型どおりの内容でしかありませんでした。大手新聞の孫引きみたいなその記事は、日本を良く知らない人向けには十分、なのでしょうが、事の深層に突っ込むための手がかりとしては落第です。The Economistの実力からすれば、もう二段、三段突っ込んだ話がでてもおかしくないところだと思うのですが、そうならない。なぜか?

総合的に言って、世界中の読者が日本に寄せる関心の度合いが「まあこんなもんだろう」ということなのではないかと思うのです。たとえば小沢になったからといって、日本が対中国政策を変えるか?と考えると、自民党が復活して、アメリカ寄りの度合いが高まることでもないかぎり、それはないだろうと容易に見て取れます。漁船が巡視船にぶつかってこようがレアアースの取引に大きな規制がかけられようが、その意味で粘り強く交渉するしか選択肢が無く、官僚主導だろうが政治主導だろうが行き着くところは見えている、という状態です。

自民党時代と違い、仕分けにしても代表選にしても、よく論争がテレビに映るようになった結果として、新聞のぶら下がり取材に頼らなくても、こと政局に関する情報はかなりの量・質・速度で流れてくるようになったという変化はあると思います(その意味で、民主党は大きく得点を伸ばしていると思うのですが、それを取り上げるメディアは多くありません。なんでかな?)。今回も、マニフェストの堅持や政治主導の回復という小沢一郎氏の考え方に対して比較的あっさりした反応しか出なかった原因はそのあたりにあるのではないかと思います。

すでにそこまで「見える化」されてしまっている以上、取材をして突っ込むまでも無かったということだとすると、見方によっては民主党のメディア対応方針が一定の評価を得た、ということにすらなるのかも。いや、深読みしすぎかな?