新 The Economistを読むブログ

イギリスの週刊誌 The Economistを読んでひとこと

好気性非酸素発生型光従属栄養細菌の話

いきなりのっけからすごいタイトルをつけてしまいました。出所は9月11日号のScience and technologyなんですけど、元の英語はaerobic anoxygenic photoheterotrophic bacteria (AAPB)となっています。ご専門の方、翻訳が間違っていたらご指摘くださいませ。

さて、どんな話かというと、このAAPBなる細菌は海の中にいて、海中動物の死体などから解放される炭素を二酸化炭素になりにくい形で細胞に取り込む働きをしているのだそうで、他の細菌に比べて5倍くらい早く増殖するので、一旦海に取り込まれた二酸化炭素を再び放さない役割を、かなり大規模に担えるだろうとのことです。海面から吸収される二酸化炭素を光合成している植物性プランクトンなどの海藻とタッグを組むと、大変頼もしい温室効果ガス対策源と言えるのではないかというお話。

以上は、中国の研究者が発表した内容ということなのですが、原油流出事故のその後も「バクテリアが食べて」解決された例など、海の自浄能力は大変なものがあるように感じます。ま、この細菌の動きがわかったところで東京の夏が涼しくなるという話ではないとは思いますが。